03
ミオ図書館に行く途中でジュン君も合流し、博士の待つ3階へ向かう。
海の見える窓を背に座っている博士は、とても貫禄たっぷりだ。
「博士、みんなを連れて来ました」
「ウム、ご苦労だったなコウキ。……そちらの青年は?」
「初めまして、ナオトといいます。
彼女……レイナとは、公私共に親しくさせていただいています」
「ふむ、そうだったのか。では君も話を聞いていくかね?」
「えぇ、是非お願いします」
私たち5人がそれぞれ席につくと、博士は小さく咳払いをした。
「君たちも知っているように、私はポケモンの進化について研究している。
だが研究すればするほど、解らないことが増えていくばかりだ」
ナナカマド博士は窓際に立つと、海を眺めながら話を続ける。
進化するポケモンとしないポケモンの違いは何なのか。
生き物として未熟なポケモンが進化するのであれば、進化をしないとされる伝説のポケモンは生き物として完全なのか。
……テーマが難しくて頭が痛くなってきた。
普通のポケモンでも進化しない子はいるもんね。笑理もそうだし。
博士は椅子に座ると、"そこでだ"と本題を切り出した。
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