03



『俺、治療が終わってからずっと考えてたんだ……。
俺たちのためにレイナが危険な目に遭うなら、今よりも強くならなきゃダメだって。
トレーニングは欠かしてねぇつもりだけどさ、あの時の誠士を止められるくらい強かったら……こんなことにならなくて済んだんだよな。
だったらもう……耐える期間は終わりだ』

その時、勇人の体を青白い光が包んだ。



"えっ、ここ(病室)で!?"とみんなが驚く中、勇人はみるみる姿を変えていく。

一際激しい光が弾けると、水色の体に赤く大きな翼。

ボーマンダに進化した勇人の姿が、そこにあった。

病室が一気に手狭になったので、すぐさま擬人化する勇人。

銀色だった髪は鮮やかな水色に戻り、一層背が高くなっていた。

彼は私の右手を取ると優しく、それでいて力強く握る。

「やっぱり、守りに撤するばっかのスタイルは性に合わねえ。
俺はドラゴンポケモンだ。荒々しく暴れる方が俺らしく戦える。
だからこそ、守られる必要が無いくらい強くなる。
ただまぁ……手綱はしっかり握ってくれよ? 頭に血が上ったらどうなるかは、俺も保証できねぇからな!」

「そこは理性働かせてよ!? ……プッ……アハハハハ!」

静かだった病室に再び賑やかさが戻る。

でもそこに、誠士の姿は無かった。




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