04
ディアルガは私たちの前世について、包み隠さず話してくれた。
前世の私の姿であるヘレナという女性と、前世のナオトの姿であるアルフォンスという男性のこと。
2人はそれぞれの王国に仕える騎士だったこと。
エムリットも話していたように、対の神子である2人は次第に惹かれ合い、結婚を約束した仲になったこと。
あの花畑のプロポーズの夢は、その時のワンシーンだったんだろう。
でもそんな幸せは長く続かなかった。
アルフォンスの仕えていた国の宰相がヘレナに目を付け、時の神子の力を手に入れるために戦争が始まったから。
あの時から2人は"婚約者"という関係から一転し、敵同士で戦うことになってしまったから。
どうして、何故戦わなくてはいけない。
私は貴公を/君を、こんなにも愛しているのに。
長きに渡って続いた戦争の中で、2人は幾度となくその頬を涙で濡らした。
そしてついに2人の神子は……"私たち"は、相討ちに見せかけて心中した。
"アルフォンス……いや、パルキウス……。
私を愛してくれて、ありがとう……"
"この先何度生まれ変わろうと、必ず君を見つけ出そう。
私が愛するのは君だけだ、ディアーナ……"
脳内に男女の声が響く。それが私たちの……最後の言葉だった。
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