08
結果から言わせてもらうと、私とナオトの圧勝だった。
彼らの連れてるポケモンたちには悪いけど、思いっ切り叩きのめさせてもらったよ。
「なっ、何なんだコイツら!?」
「くっ……つ、強過ぎる……!」
まぁ本気出しましたし?
あくどいことする組織の下っ端に引けを取るほど、生半可な気持ちでいるつもりは無いからね。
「お前さんたち、よくやった。これでギンガ爆弾の性能は確認できたぞ」
プルートは私とナオトを見据えて、ニヤリと怪しく笑う。
「さぁさ、ではアジトに戻るとするかね。足止めのために、コイツを使おうかの」
プルートが投げたボールから現れたのは、ガブリアス。
私たちを睨むその目は、何の感情も宿していなかった。
その姿を見た誠士が、分かりやすいほど動揺している。
「誠士……?」
どうしたの、と言おうとした私の声を遮り、プルートの独特な笑い声が響く。
「そのガバイトは、コイツのことを覚えているようじゃな」
『貴様……"父さん"に何をした!?』
「え……?」
あのガブリアスが、誠士のお父さん……?
誠士が幼い頃に、人間の勝手な都合で引き離された……唯一の肉親。
まさかギンガ団に捕まってただなんて!
「ガブリアス、竜の波動!」
『……承知した』
ガブリアスが放った竜の波動が天井に直撃し、立ち上る砂埃の向こうにギンガ団は消えていった。
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