07
「うむ、迷いの無い眼になったな。そろそろ王手を取らせてもらおうか。
ハガネール、ラスターカノン!」
「電光石火でかわして!」
俊敏な動きでラスターカノンをかわして、ハガネールへ向かって突っ込んでいく。
ハガネールは体が大きくて重いから、素早い動きにとっさには対応できない。
だからここは、スピード勝負に持ち込む!
「アクアジェット!」
でもそんなことは、トウガンさんにはバレバレ。
一瞬の隙を突かれて長い体に締め上げられてしまった。
「幸矢!」
「よぉし、雷のキバでトドメだ!」
ハガネールのキバが稲妻を纏って幸矢に迫る。
あれをまともに受けたらジ・エンドだ。でも幸矢はガッチリと固められていて、とても脱出できそうにない。
『ぐ、うっ……! ……フハッ……残念だが、俺はまだ諦めてない!』
突然、ハガネールの体から水が噴き出した。
"冷てっ!?"って言いながら悶えた拍子に、幸矢は拘束から逃れる。
あの尻尾の水……そっか、アクアテールの水を噴射したんだ!
この気を逃す訳にはいかない!
さっきまでは自分の感情に囚われて霞んでたけど、ハガネールだって苦手なタイプの技を受けて体力が削られてるはず。
「幸矢、アクアジェット行ける?」
『行けないことは無いが、それだとさっきの二の舞になる可能性もある。
……レイナ、次の手は俺に一任してもらうぞ』
「え? う、うん……」
「次は決めるぞハガネール、雷のキバ!」
再びハガネールが迫ってくる中で、幸矢は微動だにしなかった。
あのままじゃやられちゃう!
「危ないよ幸矢! かわして!」
『その必要は無い。……喰らえっ!』
そう言って、幸矢が口から大量の水を発射する。
「あれって、水鉄砲?」
『いや、あれはハイドロポンプだ』
こ、このピンチの中で新しい技を覚えたのか……。
前に勇人も似たような状況で"守る"を覚えたけど、もしかしてうちの子って土壇場に強かったりする?
『今がチャンスだ。一気に攻めるぞ』
「うん! ハイドロポンプで決めちゃって!」
『これで、終わりだ!』
息継ぎも困難なほどの水流が直撃したハガネールは、バトルフィールドへその巨体を沈めた。
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