02
ミオジムに向けて街の大通りを歩く。今日も良い天気で気持ちの良い風が髪を撫でていった。
昨日も見た街の中央の橋に差し掛かったところで、何か"バシャーン!"と水しぶきの音が聞こえた。
そっちを見ると何やら小さいポケモンがバシャバシャともがいている。足を踏み外して落ちちゃったんだ!
「大変!」
急いで降りていってそのポケモンに駆け寄る。その子はどうやら泳げないらしかった。
『たっ、助けあぶぶぶぶ……!』
「と、届かない……! 幸矢、後ろから押してあげて!」
『分かった』
幸矢がボールから出てきて手伝ってくれたおかげで、何とかレスキューできた。
見たこと無い子だけど、ポケモンセンターに連れて行った方が良いよね?
でも約束の時間も迫ってきてるし、どうしよう?
『……おい、トレーナーはどうした?』
ちょ、まだ息整えてるんだから少し待ってあげなよ……。
っていうか、トレーナーって?
『どうして野生のポケモンじゃないって分かるの?』
『こいつ……タテトプスは既に絶滅したポケモンのはずだ。
そんな種族が生きている以上、化石から復元させたトレーナーがいる可能性が高いだろ』
そっか、この子は化石から復活するポケモンなんだね。
……なんて考えてる場合じゃなかった。この子をどうにかしないと。
「とりあえずミオジムまで連れて行こうか。私が抱えr……重っ!?」
この小さい体のどこにこんな重さがあるの!? っていうかタテトプスって何kgあるんだっけ?
『だ、大丈夫レイナ?』
「だ……大丈夫じゃない……。勇人、この子を抱えて運んであげられない?」
『そいつの重さにもよるけどよ……。うし、ちっとやってみるわ』
勇人が擬人化してタテトプスを抱え上げようとする。でも想定外の重さだったらしく、目を丸くしていた。
「やべぇ……抱れっけど、ジムまで歩くのは無理だ」
ポケモン図鑑でタテトプスのデータを検索すると、平均体重が54kgもあるらしかった。
來夢と笑理に頼んでジョーイさんを呼んで来てもらおうか……。
その時だった――。
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