01
翌朝――
いつものように誠士の作ってくれた朝ご飯を食べる。
メニューはレタスとハムと半熟スクランブルエッグのサンドイッチ。
今日はトウガンさんとのジム戦。どんなポケモンを使ってくるのかは、正直あんまり見当がつかなかった。
「鋼タイプに有利な焔と誠士は確定として……。
あとは鋼タイプを半減できる幸矢に任せようと思うんだけど、どう思う?」
「良いんじゃねえか? 俺はトバリとノモセで出たし、今回は見学するわ」
「格闘技なら來夢も覚えてるよ?」
「ドレインパンチ連打っていうのはねぇ……」
「サイコキネシスで浮かせたりはできる?」
「できるけど、相手のポケモンによるかも。
私の場合、同じサイコキネシスでも重さの抵抗を無くせるわけじゃないから」
來夢の話を整理すると、こうだ。
ランクルス同士でも元々の能力やポテンシャルが、サイコキネシスの性能に大きく関わってくるんだって。
どんな重さのポケモンも無重力のように持ち上げる子もいれば、相手の動きを封じるレベルの子もいるらしい。
「來夢はどこまでの重さなら持ち上げられるんだ?」
「うーん……サイコキネシスを使ってる時は100kgくらいまでは大丈夫。
だから実際の重さは200kg前後かな」
つまりこの子のサイコキネシスは、実際に掛かる重さを半減させるってことか。
……いや、それでも100kgはすごいな。
「でもやっぱり、鋼タイプが相手ってなるとちょっと厳しいかも。
鋼タイプって他のタイプも一緒に持ってるイメージあるし、ドリュウズみたいに地面タイプ持ってたら雷が効かないから」
聞き慣れないポケモンの名前に"?"を浮かべるみんなの隣で、私は"あぁ……"って1人納得する。
(そういえばヒョウタさんがイワーク出してきたっけ……)
イワークの進化系は鋼・地面タイプのハガネールだったはず。
鋼タイプのジムリーダーであるトウガンさんが連れていても、なんらおかしくはない。
「じゃあ、あたしも無理かなぁ」
「ジムリーダーがハガネールを繰り出してくると仮定するなら、水タイプの幸矢は頼みの綱になるだろう」
「……うん、決めた。先鋒は誠士、次鋒は幸矢、大将は焔におねがいするね。
順番が前後するかもしれないけど、そこは臨機応変にってことで」
「あぁ」
「はーい、頑張るよ!」
「任された」
よぉし。6個目のバッジ、絶対勝ち取るぞー!
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