07

8人での食事は、それはもう賑やかだった。

それぞれが食べたいラーメンを注文し、その美味しさに夢中になって。

私と幸矢の頼んだ塩ラーメンは、スープがあっさりしていてとても美味しかった。

ちなみに誠士と來夢は醤油ラーメン、笑理はお子様ラーメン。

焔と勇人の2人はチャレンジメニューのデカ盛りラーメン。背脂のたっぷり入った、元の世界でいうところの○郎系ラーメンだ。

後でちゃんと歯磨きするように言っておかなきゃ。

トウガンさんも味噌ラーメンを啜りながら、大食いコンビの食べっぷりに舌を巻く。

「いやはや、何とも見事な食べっぷりだなぁ。
うちのジムスタッフでも、ここのチャレンジメニューは頼んだことが無いというのに」

「この2人の胃袋は寸胴サイズなんじゃないかな、って思ってます。
それより勇人、トウガンさんに聞きたいことがあったんじゃないの?」

勢いよく啜った麺を頬張る勇人は、"ほうはっは(訳:そうだった)"って言って急いで飲み込んだ。

忘れてたんかい。あと食べ物はよく噛まなきゃダメだよ。

「今、自分のバトルスタイルに悩んでんだ。
タツベイん時に小柄じゃなくなっちまったし、誠士みたいにデカい図体で素早く動けるわけでもない。
でも体重が増えたら増えたで、それに合った戦い方があるはずなんだ」

「勇人……」

最近やけに公式戦の生中継や再放送見たりしてるとは思ったけど……。

いつもの笑顔の裏で、彼なりに色々研究しながら悩んでたんだな。

「鋼タイプのポケモンが、みんな体重が重いとは限らんぞ?」

「もちろん、それは分かってる。
でも鋼タイプを専門にするアンタに聞けば、何か気付く切っ掛けになると思ったんだよ」

「……ふむ。お前さん、種族はどのポケモンだね?」

「へ? コモルーだけど……」

「それなら、お前さんに重量級のバトルスタイルは向いてないと思うがな」

「どうしてー?」

「ワシもドラゴンタイプには詳しくないが……。
コモルーは本来、進化する時まで食事も摂らず空腹に耐え続けるポケモンだと聞く」

その話を聞いた私たち全員の"えっ!?"という視線が勇人に刺さる。

本人は"食ってちゃ悪いか!?"って赤面してた。


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