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私も本棚から気になる本を選び、勇人の隣で読み始める。

選んだのは"シンオウ創造神話"という本。シンオウ地方の成り立ちに関する伝承が書かれているらしかった。



"始まりの神話"

初めにあったのは混沌のうねりだけだった。全てが混ざり合い、中心にタマゴが現れた。

零れ落ちたタマゴより、最初の者が生まれ出た。

最初の者は2つの分身を作った。

時間が回り始めた。空間が広がり始めた。

さらに自分の体から3つの命を生み出した。

2つの分身が祈ると"物"というものが生まれ、3つの命が祈ると"心"というものが生まれた。

世界が創り出されたので、最初の者は眠りについた。



カバンからメモ帳を取り出して、今読んだ神話の内容を書き出して整理してみる。

(シンオウで最初に生まれたのが"最初の者"。これはきっとアルセウスのことだよね。
で、アルセウスがディアルガとパルキアを自分の分身として生み出した。
……"心"が生まれたってことは、3つの命っていうのは湖のポケモンたちかな?
"物"と"心"によって世界が形作られたのを見届けたアルセウスは、そのまま眠りについたってことになる。
なる……ん、だけど……?)

肝心の"時の神子"に関係する記述が何も無い。というかこの神話、前にも読んだな。

他の本も読み漁ってみたけど、それらしいことは一切書かれていなかった。

(民間伝承にも伝わってないってことは、"隠された神話"ってことなのかな?)

収穫が無かったのは残念だけど、そろそろポケモンセンターに戻らなきゃね。


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