03
ポケモンセンターに向かったジュン君と分かれ、私たちはミオ図書館に到着した。
1階と2階は専門書のエリアだったので、必然的に目的の階は3階になる。
3階には子どもも楽しめそうな絵本や物語も置いてあって、これなら私たちでも読めそうだ。
「よし、ひとまず今から自由時間にしよう。図書館の中なら自由に歩き回って良いけど、走ったり大声を出したりしたらダメだよ」
全員から返事が返ってきたのを確認して、各自が好きな本を選びに行く。
笑理と來夢はファッション雑誌、誠士と焔は料理本、幸矢はハンドメイドの実用書。
……みんなブレないな。まぁ私も神話の本探すんだから人のこと言えないけど。
って、あれ? そういえば勇人は?
「なぁ、レイナ。ここってバトルのことが書いてある本ってあるのか?」
「んー、どうだろう? 公式バトルのルールならともかく、バトルの実用書は無いんじゃないかな?」
"だよなぁ"って勇人が肩を落とす。
コモルーに進化してバトルスタイルを変える必要性が出てきたからか、最近ポケモン図鑑を貸してくれって言うことが多くなったもんね。
1階に行けばポケモンの生態学の本とかありそうだけど、勇人は論文とか苦手そうだしなぁ。
私も難しい本は苦手。
「じゃあさ、私の調べ物を手伝ってもらって良い?
神話の絵本とか物語なら、そんなに難しい内容じゃないと思うし」
「あー、それなら俺にも読めるか……。うし、やってみるわ。
確か"時の神子"について調べるんだったよな?」
「うん、お願いね」
本棚に向かった勇人が1冊の本を手に戻ってくる。"シンオウ昔話"っていうタイトルの本を、勇人は珍しそうに読み耽っていた。
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