04
「ホントどこに行ったの!?」
ノモセシティから少し離れた森の中で、私はついそう叫ぶ。
あれからもう1度街の人に聞き直して回ったり、旅のトレーナーに聞いて回った。
でも返って来る答えはどの人も"見ていない"の一言だけだ。
ポケモンの名前でも擬人化の特徴でも全く見つからないって、どうなってるの?
(もうすぐ暗くなっちゃう……。まさか、密猟者とかに捕まったんじゃ……)
最悪な事態を想定してしまって、思わず背筋が凍る。
するとその時、森の方からこっちに向かってくる人影が見えた。
「あ、あの!」
「ん? 何だよ、レイナじゃんか」
人影の正体はジュン君だった。
「久しぶりって言いたいところだけど、ちょっと聞きたいことが……」
「わり、俺もポケモンセンターに急いでんだ。
野生のポケモン相手に、俺のポケモン全員倒されちまって」
──野生のポケモン?
「それって、もしかしてブイゼル?」
「いや、コモルーだったんだよ。
ゲットしようと思ったけど、めちゃくちゃ強くてさ!」
「そのコモルー、どこで見たの!?」
きっと勇人だ。やっと手掛かりが見つかった!
藁にもすがる思いでジュン君に詰め寄ってしまう。
「お、おい落ち着けって! 何か怖ぇよ!」
「あ、ごめん……。
そのコモルー、もしかしたら私のポケモンかも。
昨日バトルに負けたショックで、どこか行っちゃって……。
それで探してたんだよ」
「何だよ、そういうことは早く言えよな!
コイツら預けたら案内してやるよ!」
「本当に!? ありがとう、ジュン君!」
願ってもない助け舟だ!
「すぐに戻ってくるから、ここで待ってろ。
良いか、絶対にそこから動くなよ! 動いたら罰金だからな!」
ジュン君は猛スピードでポケモンセンターに駆け込んだかと思うと、"高速移動でも使ってるのか"ってくらいすぐに戻ってきた。
こっちだ! と言ってそのまま走っていくジュン君を、私は急いで追いかけた。
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