06
「何なの、あのブイゼル! 信じらんない!」
ノモセシティのポケモンセンターに蜻蛉返りして、勇人をジョーイさんに預けた直後。
笑理が部屋で声を荒らげた。
「勇人だって頑張ったのに、あんな言い方酷いよ」
「そうだね。勇人、大丈夫かな?」
「……」
"真剣に勝負して、そんで互いを認め合ってさ。そこから仲良くなれたりするだろ?
だから好きなんだよ、ポケモンバトル!"
以前、満面の笑みでそう話していた勇人。
彼のバトルに対する熱意は、人一倍強い。
でも単純に戦うためだけにバトルするんじゃないってことを、私たちは知っている。
だからこそ、そんな勇人の純粋な思いを否定された気がして悔しかった。
「ねぇ誠士、今日の晩ご飯は勇人の好きな物作ってあげてよ。
美味しい物食べれば、少しは気が紛れるんじゃないかな?」
「……そうだな。後で買い出しに行って来よう」
落ち込んでいるかもしれない勇人を励まそうと、みんながアイデアを考える。
(こういう時、何て声を掛けたら良いんだろう……)
でも下手なことを言って、余計に気落ちさせちゃったら元も子もないし……。
何度目になるか分からないため息をついた時、治療を終えた勇人が戻ってきた。
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