05


結果から言わせてもらいます。

2人(2匹?)のバトルは、勇人の惨敗に終わった。

1番大きな敗因は、コモルーへ進化したことによる体重の増加。

タツベイの頃の倍以上まで増えたことで、頭で考えることに体が追い付かないみたいだった。

勇人にとって、初めての黒星だ。

『クソっ……、まさか負けるなんてな……』

「お疲れ様、勇人。今回はブイゼル君の方が上手だったんだよ」

慣れないなりに頑張っていた勇人を労っていると、ブイゼル君が"フン"と小さく鼻を鳴らした。

『ジムリーダーを倒したアンタらなら、もしやと思ったが……。
期待はずれだったな』

「え……?」

『てめぇ……今何て言いやがった!』

『あのフローゼルを倒したアンタを倒せば、何か分かるかと思った。
だが結局、時間と労力を無駄にしただけだった』

『言ってくれるじゃねぇか……。
だったらもう1回バトルだ! 次こそてめぇを倒してやる!』

「ちょっと勇人、落ち着いて!」

『ムキになっちゃダメだよ!』

頭に血が登ってしまった勇人を必死に宥める。

戦う体力も残っていないのに、再戦なんて無茶だ。

『だったら教えてやる。
今のアンタは、自分の状況がまるで分かっていない。
進化したばかりで体重が激増したのに、タツベイだった頃のスピード勝負で戦える訳が無いだろ』

『……! そ、れは……』

このブイゼル君、勇人が進化したばかりなのを知ってる。

ノモセでのジム戦をどこかで見てたってこと?

『自分の置かれている状況も理解出来ず、進化もしていないポケモンに負けた。
だったら……アンタは何のために戦うんだ?』

それだけ言い残すと、ブイゼル君は森の中へと姿を消した。


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