03

2戦目のヌオーも、來夢が危なげなく試合を運んでくれたお陰で難なく勝つことが出来た。

思い返せば、來夢は過去3回ジム戦を経験してるんだよね。流石は初期メンバー。

でも岩石封じで動きを止められた時、力技で脱出したのには私も驚いた。

ボールに戻す前に聞いてみたら、元々ランクルスはパワープレイの方が得意なんだって。

で、そのための腕力や握力をサイコパワーで増幅してるらしい。

は、初めて知った……。

エスパータイプだから、てっきりサイコパワー使う方が得意なのかと思ってたよ……。

そして今ジム戦は最終局面、フローゼルと勇人のバトルに持ち込まれている。

フローゼルは昨日と同じように、こちらに攻撃を当てては水中へ逃げていく。

スピード勝負に持ち込みたくてもフローゼルの方が素早い分、こちらの攻撃は全て躱されてしまっていた。

(勇人の体力は確実に削られていってる。
でも、闇雲に仕掛けても水中に逃げられて反撃されちゃうし……)

フローゼルが今までに使った技はアクアジェットと潮水の2つだけ。

残りの技が分からない以上、イタズラに突っ込んでいくのは避けたいところだ。

「ハッハッハ! 俺様のフローゼルはそう倒せんぞぉ!
フローゼル、背後に回り込んで"氷のキバ"だぁ!」

「こおっ……!? 勇人、避けて!」

咄嗟に回避の指示を出したけれど、フローゼルの圧倒的なスピードに追い付けない。

『痛えーーっ! しかも冷てえーーっ!』

まだあれだけ叫ぶ体力はあるみたいだけど、もう反撃しないと後がない。

まさに"背水の陣"の状態だ。

(あと1回氷のキバを受けたらバトルオフになっちゃう……。
ん? "キバ"……そうか!)

これなら反撃のチャンスが出来るかも!


[*prev] [next#]






TOP
×
第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -