02


ノモセジムに行くと、マキシさんがフロントに仁王立ちしていた。

遅刻はしてないはず、とおっかなびっくりで自動ドアを潜る。

すると思わずビャッ! と肩が跳ねてしまうほどの大音声で"よぉく来たなぁ、レイナ君!"とお出迎えされた。

満面の笑みだったから一先ずほっとしたけど、ハイパーボイスでも喰らった気分だ。

彼の案内でバトルフィールドへ入り、挨拶もそこそこにジム戦が始まった。

「笑理、天使のキッス!」

「そうはさせんぞぉ! 竜巻で打ち消せぇ!」

ギャラドスに向かって飛んで行った大量のハートを、激しい竜巻がかき消してしまう。

混乱させられたらチャンスが出来るかと思ったけど、なかなかそうは行かないらしい。残念。

「愛らしいポケモンに傷を付けたくはないが! ギャラドス、噛み付く攻撃だ!」

『おぅよ!』

「躱して、笑理!」

『うん!』

笑理がプールの足場をピョンピョンと跳び移りながら攻撃を躱す。

パチリスは体が小柄な分、動きにも小回りが効く。

おまけにギャラドスの方は小さな相手に噛み付かなくてはいけないので、必然的に低姿勢での攻撃を余儀なくされる。

「笑理、後ろに跳んで!」

『分かった!』

笑理が後方の足場に跳び移った瞬間、ギャラドスの顔がこっちへ伸びてくる。

……今だ!

「草結び!」

プールの底から伸びてきた植物がギャラドスの体を拘束する。

「何ぃッ!?」

本来は相手を転ばせる技だけど、相手の動きを止めるのに使えないかなーって考えてたんだよね。

プールのどこから生やしてるのかは聞くな。

「ギャラドス、拘束を引きちぎれぇ!」

おっと、拘束を解かれる前に決着を着けないとマズイ。

「笑理、ギャラドスの背中に飛び乗って放電!」

『そーぉれー!』

『あばばばばばばば!』

ギャラドスは為す術もなく、目を回して撃沈した。

自分で指示しといてなんだけど……ゴメンよ、ギャラドス。


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