08

---

｢ヌオー、戦闘不能！ ムクバードの勝ち！｣

2回戦目は疾風君の勝利で終わった。

日頃からストイックにトレーニングしていることもあって、危なげなくバトルを進めていく姿には"流石だなー"と思った。

ヌオーが岩石封じを使って来たのは想定外だったみたいだけど……。

｢これでジムリーダーのポケモンはあと1体。
ここからが正念場だな｣

｢うん。でもナオトたちだって強いし、きっと大丈夫だよ｣

｢ナオトー、みんなー！ 頑張れー！｣

｢ここまで来たら負けんじゃねぇぞ！｣

焔たちが声援を送る中、マキシさんとナオトがモンスターボールを構える。

｢まさかここまで追い詰められるとはな！
だが、逆境を跳ね返してこそ熱くなれるというものだぁ！｣

｢ここまで来たからには勝たせていただきますよ！｣

｢全力で掛かって来い！ 君の恋人も見ていることだものなぁ！｣

｢こ、恋っ……！？｣

観客席にいた私の耳にも入ってくる。



"恋人"って、私のこと！？



｢ま、マキシさん！ 僕と彼女は、そういう関係では……！｣

｢ハッハッハ、そう照れるな！
ガールフレンドに格好悪いところを見せたくないのは、男として当然だからな！｣

｢｢マキシさん！！｣｣

私も思わず観客席から叫んでしまう。

マキシさんに悪気が無いのは分かってるんだけど……。

あぁもう、恥ずかしい……！

｢だが、俺様の相棒はそう簡単には倒せんぞぉ！
行け、フローゼル！｣

『任せな、相棒』

｢頼むぞ、緋色！｣

『よしきた、任せな！』

マキシさんの最後のポケモンはフローゼル。

対するナオトのポケモンは、やっぱり緋色君。

最終戦の火蓋が切って落とされた。


[＊prev] [next＃]