04
ランニングを終えたナオトと天馬君と合流して、朝食を終える。
誠士と緋色君はすっかり料理談義に花が咲いたみたいで、料理の味付けに何が使われているか吟味したり、たまには人の手料理を食べるのも良いなと話していた。
「よし、そろそろ出発しようか。ノモセシティまでもう少しだしね」
「そうだね。……ノモセシティには大きな湿原が広がっているそうだよ。
ジム戦の前に、そこで気分をリフレッシュするのも良いかもしれない」
ホテルのベルボーイさんも、そんなこと言ってたな。
ノモセ大湿原はノモセシティが出来る前から存在していて、大湿原の自然を守るために造られた街がノモセシティなんだそうで。
自然豊かなシンオウ地方らしい街だなぁ、と感慨深くなったのが昨日のことだ。
『じゃあ大湿原に行った後はジム戦だな! 腕が鳴るぜ!』
『次のジムは水タイプだったか。強いヤツと戦えるんなら、それで良い』
バトルジャンキーコンビの背後でやる気がメラメラと燃えてる……。
「あぁ、ノモセジムのジム戦のことなんだけど……。
僕たちが先に挑戦しても良いかな?」
『なっ……!』
ガンッ! って音が聞こえそうな表情で、勇人が目を丸くする。
『ナオト! 抜け駆けしようったって、そうは行かねぇぞ!』
「すまない、勇人。抜け駆けするつもりは無いんだ。
ただ、ノモセシティでどうしても外せない用事があって……。
それまでに、何とかジム戦を終わらせておきたいんだよ」
「勇人、今回は譲ってあげよう?
私たちは急用があるわけじゃないんだし、ナオトたちのジム戦を見るのも良い刺激になるかもよ?」
『……仕方ねぇな。そういうことなら今回は譲ってやる』
ひとまず勇人が納得してくれて一安心。
ノモセシティに向かおう。
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