03
「……んぅ……。……ん?」
窓から差し込む、眩しいほどの朝日で目が覚める。
隣で寝ていたはずのナオトの姿がない。
(朝のランニングかな?)
カーテンを開けて外を見ると、湖面がキラキラと輝くリッシ湖が見える。
その畔を走るナオトの姿も見えた。あ、天馬君もいる。
(ランニングウェア着てる。本格的だな……)
テンポの良い足運びで颯爽と駆けていくナオトと天馬君を見ながら、昨日のことを思い出す。
私と彼が見た"暗闇の夢"。青い光の発した"神子"というワード。
そして私たちがお互いに抱いた、"懐かしい"という気持ち──。
(そういえば、昨日は夢を見なかったっけ……)
あれこれと思考を凝らしてみるも、何も分からなかった。
時間が解決してくれるのを、待つしかないのかな。
「レイナ、起きてるか?」
この声は緋色君だ。
起こしに来るのが勇人じゃないのは、なんか新鮮だな。
「うん、起きてるよ。おはよう、緋色君」
「おぅ、おはようさん。
どうせナオトと天馬は遅くなっから、先に朝飯食おうぜ」
「分かった。着替えたらすぐに行くね」
先行ってるぞ、と言って緋色君の足音が遠ざかっていく。
私も早く着替えなきゃ。
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