01
太陽が顔を出し、空が白み始めた頃──。
鳥ポケモンたちのさえずりで目を覚ます。
隣には静かに眠っている、1人の少女。
あの頃と全く変わらないその寝顔に、思わずクスリと笑みがこぼれた。
(変わらないな、僕も君も。君はいつだって僕の前に現れて、そして……)
自分の中にある記憶を辿り、己の宿命に思いを馳せる。
(時の神子と空間の神子、2つの鍵が再び揃った。いや、巡り会ってしまった。
僕は……"私"はあの過去を、"彼女"にどう償えば良いのか……)
起きてしまったことは変えられない。過ぎ去った時間を巻き戻すことは出来ない。
それは分かっているつもりだ。
(何よりも変わらないのは、僕自身の"弱さ"だな……)
ベッドの上で、人知れず自嘲する。
隣で眠る彼女を起こさないように抜け出し、音を立てずに部屋を出た。
[*prev] [next#]