04
「驚いたな……」
ナオトが本当に驚いている顔で私を見る。
「レイナ、その夢をいつ見たのか覚えているかい?」
「えーっと、ヨスガシティでポフィン教室に行った日の夜だったけど……それがどうかした?」
「実はその夢、僕も見たんだ」
「えっ!?」
いつその夢を見たのかを聞かれた時点でまさかとは思ったけど、そのまさかだった……。
『ナオトはいつ見たの?』
「ポフィン教室に行く前の日だよ。
僕も夢の中で、その青い光に"神子"と呼ばれたんだ。
"空間を司る神子"だと」
ナオトの話を聞いていて、1つ聞きたいことが出て来た。
「じゃあさ、ナオトにもあったりするの?」
「何がだい?」
「鎖骨の辺りに、小さなアザがない?
私が夢を見た次の朝、左の鎖骨の近くに小さな青アザがあったんだけど……」
「アザ、か……。もしかして、これのことかな?」
ナオトがTシャツの襟をクイッと引っ張る。
よく見ると、彼の右側の鎖骨にも小さなアザがあった。
でも私と違うのは、彼のアザは大きさこそ一緒なものの、丸い形をした赤いアザだったことだ。
「私のと違うね。私のは正五角形の青アザだったけど……」
『同じ大きさなのに、形と色が違うなんて不思議ー』
『そうだな。
加えて2人が同じ時期に同じ夢を見たことも、何か意味があるとしか思えない』
(夢の意味、か……)
青い光は私のことを"時間を司る神子"、ナオトのことを"空間を司る神子"と呼んだ。
この世界で時間、空間と言ったらディアルガとパルキアのことだろうとは思う。
(私とナオトが、彼らに関係あるってこと?)
……思い当たる節が何も無い。
『まぁ、今は夢のことはお預けにしねぇか?
そろそろホテル・グランドレイクに着く頃だぜ』
「そうだな。部屋が取れたら良いけれど」
有耶無耶にされちゃった気がしなくもないけど、緋色君の言う通り、今ここで頭を悩ませていたって解決はしない。
外も暗くなってきたし、ひとまず有名な宿泊施設だというホテル・グランドレイクに向かうことにした。
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