02
朝食を食べた後、ノモセシティへ向けて出発した私とナオトだったけど……。
(き、気まずい……!)
朝の一件があったせいか、私もナオトも全く喋らない。
声をかけようと思うと脳裏にあの時のことが思い出されて、恥ずかしくて躊躇ってしまう。
それはナオトも同じようで、時折チラチラとこちらを見る視線は感じていた。
『レイナとナオト、ケンカでもしたの?』
「「えっ」」
笑理が汚れのない目で、私とナオトにそう聞いてくる。
「ど、どうしてそう思うんだい?」
『だって昨日まであんなに仲が良かったのに、急に喋らなくなるんだもん』
「だだだ大丈夫大丈夫! ケンカなんてしてないよ!?」
まさか、笑理に本当のことを言うわけにもいかない。
『テンパりすぎて口調が怪しくなってんぞ、レイナ』
『ナオトを呼びに行った時、何かあったの?』
お願いだから思い出させないで、焔ー!
緋色君が意味ありげに"へぇー?"って言いながら笑ってたのは、気のせいだと思うようにした。
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