01

トバリジムでのジム戦を終えた私たちは、その翌日トバリシティを出発してヨスガシティに戻ってきた。

その理由は──



「えーっと……。あ、ここみたいだね」



探していた建物の前に立つ看板に書かれた、"ポフィン教室"の文字。

そう、私たちはポフィン作りを習いに来たというわけだ。

きっかけは誠士が読んでいた、お料理の雑誌だった。

ポフィンはいわば、ポケモンのおやつ。

木の実を使って作り、食べさせればポケモンのコンディションや毛艶が良くなるんだそうだ。

その効果から、ポケモンコーディネーターにとっては必須のアイテムらしい。

もうコンテストに出るつもりは無いから、私にとっては必要不可欠という訳ではないんだけど……。



『ねぇレイナ、早く入ろうよ!
あたし、トバリを出発してから楽しみにしてたんだから』



私の肩の上で、栗色の大きな瞳をキラキラさせている笑理。

この子のおねだりに負けましたよ、ハイ……。

まぁ誠士もやる気だし、私自身もお菓子のレパートリーが増えるので良しとしよう。

誠士をボールから出して、擬人化してもらう。

私は料理教室のドアをくぐった。


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