05
「アサナン、ドレインパンチ!」
「かわして竜の息吹!」
素早い身のこなしで間合いを詰めてきたアサナンをかわし、竜の息吹を叩き込む勇人。
『うし! 当たったぜ!』
「油断しないで、勇人。まだバトルは始まったばかりだよ!」
立ち上がり、体勢を立て直すアサナン。
まだ余裕綽々って感じだな。流石はジムリーダーのポケモン。
「攻撃力を底上げします! ヨガのポーズ!」
「そうはさせない! 勇人、思念の頭突き!」
空中に浮いたままヨガのポーズを取ったアサナンのお腹に、勇人の頭突きがヒットする。
でもアサナンは格闘・エスパータイプ。エスパー技を喰らったところで大打撃にはならない。
『次はどうしますか、スモモ?』
アサナンが自分の肩越しにスモモちゃんを見遣り、次の指示を待っている。
「念力でタツベイを上空へ!」
上空へ投げ飛ばされてしまった勇人。
これは……空中での追撃が来る!
「勇人、体勢を立て直して! 竜の息吹!」
『おぅらっ!』
『ぐっ……! ぅ、あ……!』
「諦めないでください、アサナン! ドレインパンチ!」
「次で決めるよ! 思念の頭突き!」
アサナンの拳と勇人の頭突きが激しくぶつかる。
衝撃波が収まった後、倒れることなく立っていたのは……
勇人だった。
「アサナン、戦闘不能! タツベイの勝ち!」
『よっしゃぁ! まずは1勝だな』
「お疲れ様、勇人! ゆっくり休んで」
勇人をボールへ戻して、次のボールへ手をかける。
「アサナン、お疲れ様でした。ゆっくり休んでください。
……流石ですね。あなたとポケモンの間に強い信頼を感じます」
スモモちゃんが真っ直ぐに私を見つめて、ニッコリと笑う。
ジムリーダーにそう言ってもらえるのは、素直に嬉しい。
「ありがとう。私にはポケモンたちを信じることしかできないから。
でもそれがこの子達を強くしてくれるなら、私は全力で信じるよ」
「素晴らしいです。レイナさん、あなたのその想いに敬意を表します。
ですが、私もジムリーダー。簡単に破られるわけにはいきません!
頼みますよ、ゴーリキー!
『おぅ、任せときな!』
相手はゴーリキーか。それなら……!
「來夢、レッツゴー!」
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