03
「おー、すげぇ! やっぱ原型ん時より目線高ぇな!」
トバリジムへ向かう途中、モンスターボールから出てきた勇人と一緒に大通りを歩く。
さっき擬人化したばかりだからか、人間の姿で行動するのがとても新鮮らしい。
ちゃんと前見てないと転ぶよ、勇人。
ついでに言うと、私よりも背が高いのがニクい。
「そういやぁ、バトルの順番は決めたのか?」
「それなんだけどさ、勇人は初めてのジム戦でしょ?
先鋒を任せても良いかな?」
「"先鋒"ってーと、"トップバッター"ってことか?」
「そういうこと。初戦で活躍出来れば、その後のバトルに向けてのモチベーションにもなる。
來夢と焔にとっても心強いと思うよ」
「切り込み隊長ってことだな! うし、任せておけよ!」
ジム戦に向けての気合は十分に入ったみたい。これは頼もしいな。
『焔は進化してから初めてのジム戦だよね。頑張ろうね』
『うん! お腹いっぱい食べて元気出たし、絶好調だよ』
『良いなー。あたしもそろそろジムバトルしたーい』
「笑理は電気タイプだからね。次のノモセジムで活躍してもらおうかな」
水タイプのジムだもんね、あそこ。
私の記憶では、ジムリーダーの手持ちにギャラドスがいたはず。
『レイナ、そろそろジムに着く頃では?』
「あ、そうだね。今は目の前のジム戦に集中しないと。
勇人、ボールに戻って」
「おぅ!」
擬人化を解いた勇人がボールに入ったのを確認して、トバリジムの門の前に立つ。
普通にジム戦を申し込むか悩んだけど、やっぱり"格闘家"といえばこのイメージしかない。
私は扉の前で大きく息を吸い込んだ。
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