07
階段の先にある出口をくぐる。
その先にあるのは、山積みになった何か。
「これ……写真?」
祭壇らしき場所に置かれた、たくさんの写真。
ムックルと男の子が写った写真や、ニャルマーとおばあさんが写った写真。
ポケモンと、そのトレーナーと思しき写真の山だった。
「何で写真がこんな所に……」
ロストタワーは死んだ魂が眠る場所。
ってことは……
「もしかしてこの写真、ポケモンを亡くしたトレーナーが置いていったもの……?」
『その通りです』
『誰だッ!』
突然背後から声をかけられて振り返ると、そこには1匹のムウマージがいた。
「ムウマージ……?」
『ここにある写真は、トレーナーたちが亡くなったポケモンに"自分たちの思い出を忘れないで欲しい"という願いを込めて置いていったものです。
あなた方には見えていないでしょうが、今この時も、亡くなったポケモンたちの魂がここにいます』
「え゛……」
『安心してください。危害を加えるつもりはありません』
ホッ……良かった。
「あ、いた!
みんな! レイナと勇人いたよ!」
出入り口から來夢たちがワラワラと出てくる。
「焔! みんなも!」
「もう、いきなり走り出すからビックリしちゃったじゃん!」
「大丈夫? 2人ともケガとかしてない?」
『あぁ、大丈夫だ』
「心配かけてゴメンね、みんな」
來夢たちも無事で良かった。
置いてきぼりにしちゃったから、心配してたんだ。
「2人とも無事で何よりだ。しかしレイナ、ここは一体……」
『お仲間の方ですか?』
「! ……ムウマージ、だよね?」
「何でムウマージがここに?」
「騒がしくしてゴメン、ムウマージ。
だけど、私たちはここを荒そうとか写真を盗もうとか思ってない。
それだけは信じて」
後ろで來夢たちが"写真?"って話してるのが聞こえる。
今最上階に着いたばっかりだから、無理もないか。
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