05


「あー……帰りたい……」

『俺も……』

真っ暗だし何か出てきそうだし真っ暗だし!

「うー、今にも何か出てきそうなんですけど……」

大体、ロストタワーの最上階って何階よ?

「ロストタワーの宝物って何だろうね?」

「一般的に"お宝"って言われると、財宝みたいなの思い浮かべるけど……」

「でも"財宝"って言われると、連想するのは海賊だよね」

「"お宝=財宝"とは一概に言えないかもしれないな」

何で4人ともそんな楽しそうに喋ってられんの。

めっちゃビクビクしてる私と勇人がバカみたいじゃん。

てか、これが宝探し+肝試しだってこと忘れてない?



"……け"



「っ!?」

い、今何か声が……。

「ね、ねぇ……。誰か、何か言った?」

その場にいる全員が首を横に振る。

「気のせいじゃない?」

「でも、確かに何か……」



"……出て行け"



「あ、本当だ。何か聞こえる」

「ね、ねぇ! あれって……」

笑理が指さした方を見ると、そこには人魂が1つ浮いている。

え、さっきまで人魂なんて浮いてなかった……よね?

しかもあの人魂、今喋っ……。



"出て行け!"



「『ギャアアアアアアアッ!』」

「レイナ! 勇人!」

私と勇人は駆け出した。



……上の階に向かって。


[*prev] [next#]






TOP
×
「#ファンタジー」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -