02
勇人の頭突きで目が覚めて、ユキエさんの朝ご飯をいただいたのがさっきのこと。
食事付きで泊めてもらっただけでも十分ありがたいのに、何と弁当まで持たせてくれた。
ありがたや、ありがたや。
で、今私たちはポケモンセンターにいる。
ものは試しということで部屋の予約に行ったら、ちょうど1部屋空いていたので予約をお願いしておいた。
『今日出発するんじゃないのか?』
「出発は明日にすることにしたんだ。
昨日は色々とゴタゴタして、遺跡見物出来なかったからね」
『遺跡? 町の外れにある、あの遺跡か?』
「そうそう」
伝説とか古い言い伝えとか、遺跡には目がないんだよね、私。
遺跡を見るためなら世界の果てでも行くよ。
「レイナ、ズイタウンの遺跡見るの楽しみにしてたもんね」
「だって、遺跡だよ? 古代の人が書いた壁画とかが残ってるってすごいと思わない?」
「確かに、古代に生きた人やポケモンが生きた証というのは興味深いな」
「誠士も古い言い伝えとか興味あるの?」
「あぁ」
「でも、焔もシンオウ地方の言い伝えとか詳しくなかったっけ?」
「知ってるって言っても、ナナカマド博士に聞かせてもらったことだけだよ」
ポケモンにシンオウ地方の神話を話して聞かせるナナカマド博士か……。
ちょっと見てみたいかも。
「まぁ、博士の研究テーマは”ポケモンの進化”だから、言い伝えとか全部知ってるわけじゃないみたいだけどね」
『へぇ。言い伝えとか神話とか、難しいことは分かんねぇけど……。
ズイの遺跡なら何回か行ったことあるから、案内するぜ』
「本当? じゃあ、道案内よろしくね」
『おう、任せとけ!』
地元民(?)の道案内があるなら、迷うこともないよね!
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