04
バトルの結果は、私たちの圧勝。
ギンガ団は捨て台詞を吐きながら逃げていった。
フフン、どうよ?(ドヤァ←
あの後、私たちはユキエさんの待つ育て屋に戻ってきた。
そして今は彼女が作ってくれた夕食でディナー中。
「レイナさん、タツベイを助けてくれて本当にありがとう。
話はおじいさんから聞きましたよ」
「バトルの腕もなかなかのものじゃった。ワシからも礼を言わせておくれ」
「エヘヘ……」
人に感謝されるのって、何歳になっても照れるなぁ。
嬉しいけどね。
『なぁ』
「ん?」
脚をペチペチと叩かれたのでそちらを見れば、そこにいたのはタツベイ君。
『お前、ジム巡りの旅をしてるって言ってたよな?』
「うん、そうだけど……。どうかした?」
『俺も連れてってくれよ!』
「へ?」
ワッツ? パート2。
『さっきお前とバトルした時、すっげぇ楽しかった。
だから思ったんだ。俺、お前と一緒にバトルがしてぇ』
……どうしよう。
本人の意思を尊重したいところだけど、それじゃあジュウゾウさんたちが……。
「タツベイ、レイナさんのことが気に入ったんじゃな」
「レイナさん。あなたさえ良ければ、この子を連れて行ってやってくれませんか?」
「私は構わないんですけど、でも……」
「ワシたちのことなら心配はいらんよ」
「タツベイはバトルが大好きな子です。
ですが、私たちではなかなか……。
寂しくないと言えば嘘になります。でも、タツベイのやりたいことをさせてあげたいんです」
ジュウゾウさんたちにこう言われた以上、彼らの気持ちを無下にすることは出来ない。
「……分かりました。じゃあ私たちと一緒に行こう、タツベイ君!」
『マジで!? サンキュー、レイナ!』
「んー……」
『どうしたの、レイナ?』
『悩み事……は、ないよね?』
『あ、もしかして……』
『タツベイの名前を考えているのか?』
さすが私のポケモンたち。お見通しか。
「どんなのが良いかなーって。
よし、今日から君の名前は勇人だよ!」
『ゆうと……?』
「うん。"自分の意志をまっすぐ貫けるように"。
そんな意味を込めたんだよ。どうかな?」
「なるほど、勇人か」
「良い名前ですね」
『勇人か……。気に入ったぜ!』
「良かった! これからよろしくね、勇人!」
『『『『よろしく/!』』』』
『おうっ! よろしくな!』
新しい仲間は、バトル好きの小さな竜。
勇人――。
自分の信念に向かって、まっすぐ進んでいけますように。
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