03
ジュウゾウさんと一緒にギンガ団が現れた場所へと向かう。
そこにはギンガ団の下っ端が2人と、岩にくくりつけられたタツベイがいた。
『おい、てめぇら! んなことして何のつもりだよ!』
タツベイは小さな手足をバタつかせて、プンスコと怒っている。
「うるせぇな。じいさんがポケモンを全部連れてくりゃ、手荒な真似はせずに帰してやるよ」
会話が全く噛み合ってない。まぁ無理もないか。
そんなことはどうでも良いとして、奴らに気付かれないようにタツベイを助けなきゃ。
「焔、穴を掘るでタツベイの所まで行けそう?」
『うん、大丈夫』
「私たちはギンガ団の気を引くから、焔はその間にタツベイを助けて」
『分かった』
「よし、作戦開始!」
あんな卑劣な奴ら、絶対に叩きのめす!
「ちょっと、アンタたちでしょ!?
ズイタウンで悪さしてんのは!」
ギンガ団は一瞬驚いたみたいだったけど、ジュウゾウさんに気付くと怒鳴り始めた。
「おい、じいさん! 俺たちは育て屋のポケモンを連れてこいって言っただろ!
そんな小娘に用はねぇんだよ!」
「育て屋にいるポケモンは全てトレーナーから任されたんじゃ!
渡すわけにはいかん!」
「アンタ、今の自分の立場分かってんの?
あたしたちはアンタと仲良しこよしのタツベイを人質に取ってる。
タツベイがどうなって『レイナ、タツベイ助けたよ!』……!」
後ろの方を振り向けば、そこには焔とタツベイの姿が。
焔、グッジョブ!
「タツベイ、無事で良かった!」
ジュウゾウさんは目に涙を浮かべている。
タツベイのことをとても心配してたもんね。
だからこそ、こいつらは許せない!
「い、いつの間にタツベイを!?」
「アンタたちがゴチャゴチャ言ってる間」
「何だと!? その生意気な口、2度と開けないようにしてやる!
行け、ビーダル!」
「ゴルバット、さっさと片付けるわよ!」
「笑理、誠士! 全力で叩きのめ『俺もやるぜ!』……え?」
ワッツ?
『俺が人質に取られたせいで、心配かけちまったんだよな。
だから、自分でケリ付けてぇんだ! 頼む!』
タツベイの目……本気だ。
「分かった。じゃあ、笑理と組んでね。
気を取り直して……全力で叩きのめすよ笑理、タツベイ君!』
『おうっ!』
『任せといて!』
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