02
育て屋を営んでいるというユキエさん夫婦のお世話になることになった私たち。
ユキエさんの旦那さんのジュウゾウさんが帰ってくるまで、料理の仕込みを手伝うことにした。
「レイナさん。あなたはお客様なのだから、座っていてくれて良いんですよ?」
「いえ。世話になる身ですから、これくらいさせてください」
その後もいろんな話をしながら野菜を切ってたら、玄関の方から音が聞こえた。
何だか酷く慌ててるみたい。
「おばあさん!」
「まぁ、おじいさん。そんなに慌ててどうしました?」
「ユキエさん、この人が?」
「えぇ、夫のジュウゾウさんです。
おじいさん、彼女はレイナさん。ポケモンセンターの宿泊部屋が満室だったので、うちに誘ったんですよ」
「おぉ、そうだったのか! 狭い家だが、ゆっくりしていっておくれ」
「はい、ありがとうございます。ところで、何かあったんですか?」
見た感じ、よっぽど慌ててたみたいだったけど……。
急ぎの用事か何かなのかな?
「実は、ギンガ団とか言う奴らが"ここのポケモンを全て渡せ"と言ってきたんじゃ」
「『『『『ギンガ団!?」』』』』
まさかズイタウンでギンガ団に会うハメになるなんて!
「しかも、タツベイを人質に取られとるんじゃ!」
「まぁ、タツベイが!?」
「"育て屋のポケモンを全て渡せばタツベイは助ける。
拒否すれば、タツベイをギンガ団に連れて行く"と。
おばあさん、ワシはどうすれば良いんじゃ……」
ギンガ団……。ポケモンを奪うために、ユキエさんたちと仲の良いタツベイを人質に取るなんて!
「酷い……。絶対に許せない!」
「レイナさん……」
「ジュウゾウさん、ギンガ団のいる所に案内してください。
私がタツベイを取り返してきます」
「しかし、1人で行かせるわけには……」
「大丈夫です。ポケモンたちがいてくれますから。
ポケモンであれ人間であれ、人質を取って脅すなんて許せません。
お願いします、行かせてください!」
「分かった。ではワシも一緒に行こう。
くれぐれも無理はせんでおくれよ」
「はい。みんな、行くよ!」
『『『『うん/あぁ!』』』』
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