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「さ! 着いたよ、ズイタウン!」

『のどかな町だな』

『そうだね』

「ボールの中でも外の景色って見えるんだね」

『うん、バッチリ見えてるよ』

今更、とか言わないで。自分でも分かってるから。

『レイナ、ズイタウンでは何するの?』

「よく聞いてくれたよ、焔!
ズイタウンでやるのはズバリ! 遺跡探検!」

ナタネさんの真似じゃないよ、決して。

『遺跡探検?』

「そう! このズイタウンにはね、"ズイの遺跡"って名前の遺跡があるんだって。
前から1度行ってみたかったんだよねー」

ズイタウンといえば遺跡!

もともと古い伝承とかが好きな私にとっては、カンナギにある遺跡と同じくらいズイの遺跡は行ってみたい場所だったりする。

「でもその前に、泊まる部屋を確保しないと」

私たちは宿泊部屋を確保するため、ポケセンへと向かった。




「ええっ!? 満室ううっ!?」

宿泊部屋を求めてポケセンに来たのは良いものの……。

まさかの満・室!

「ごめんなさいね。小さな町だから、予約が殺到するとすぐ満室になってしまうの」

いえいえ、あなたは何も悪くないんですよジョーイさん。

運が悪かっただけなんですから、ただ単に。

「どうされたんですか?」

うーん、と頭を悩ませていたら、1人のおばあさんが声をかけてきた。

「あ、ポケモンセンターで宿を取ろうとしてたんですけど、満室みたいで。
野宿するか、ヨスガに戻るか悩んでたんです」

「まぁまぁ! 女の子が1人で野宿だなんて危ないわ。
空き部屋が1つだけあるから、今日はうちにいらっしゃい」

「良いんですか!? ありがとうございます!」

やった! 野宿しなくて済む!

「困ったときはお互い様ですよ。
私はユキエ。夫と一緒に育て屋をやっているの。
あなたは?」

「レイナです。一晩お世話になります!」


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