太宰×芥川 | ナノ

心中契約


 ふと、真夜中に目が覚めた。
 それはあまりに唐突で、そして妙に後引くもののないすっきりとした目覚めだった。
 窓の外では、月が煌々と輝いている。中天を少し過ぎた位置にいるので、まだ夜中の二時頃だろう。
 朝焼けまでは、まだまだ時間がある。寝直そうかと思ったが、眠気はどこかへ消えてしまっていた。
 前世では不眠症に悩まされた芥川だったが、この図書館に呼び出されてからは、嘘のように毎晩眠りにつくことができていた。冬を迎えたこの頃は、温もりと眠りを求めて、なかなか朝、布団から出られないほどだ。
 だから、こうして深夜に起きることは、ほとんどなかった。今宵はどうしたのだろうと不思議に思ったが、そんな日もあるとすぐに考えるのをやめた。
 散歩でもしてくれば、睡魔が戻ってくるだろうか。
 芥川は寝台から滑り出ると、長い髪を無造作に一つにまとめ、寝間着用の着流しの上にいつも羽織っている上着を着て、自室を後にした。
 
 しんと、中庭は静まり返っていた。冷たい空気が、夜の静寂を加速させているのだろう。
 ふうっと息を吐いてみた。すぐに吐息は白く染まる。あまり長居しては、体を冷やしてしまいそうだ。
「……あれ」
 ゆっくりと庭を歩いていると、不意に大きな欅の木の下に人影を見付けた。広がった太い枝の真下には、二人がけのベンチが設置されている。そこに、誰かが体を折りたたむようにして座っていた。
 こんな時間に自分以外に出歩いている物好きがいるとは思わず、芥川は好奇心にかられ、そちらへと歩み寄った。
 距離が近付くと、徐々に相手の全貌が見えてきた。仄かな月明かりに照らされて、鮮やかな赤が闇夜にぼんやり浮かび上がっている。髪の毛も、彼の体を包む羽織りも、全てが赤い。
「太宰君?」
 思わず呼びかけていた。すると、びくんと太宰の肩が跳ねた。ゆっくりと彼は顔を上げ、そして大きな瞳をさらに大きくして、芥川を凝視した。
「せ、先生」
 たった今芥川の存在に気付いたらしく、太宰は驚きで口をあんぐりと開けていた。同じように丸くなった眼に、僅かに水が張ったような潤みを発見した。そして、その手には、一冊の文庫本が握られていた。両手で、宝物のように太宰が持っていたのは、他ならぬ芥川の著書だった。
「……どうしたんだい?こんな時間に一人で」
 太宰は、昼間見た時と全く一緒の格好をしていた。自分同様、眠れないから外に来たのかと思ったが、寝る支度すらした様子がないことが疑問だった。
 何かあったのだろうか。
 気遣い屋の自分が顔をのぞかせるのを感じながら、芥川は太宰の隣に腰掛けた。
「ちょっと、眠れなくて」
「それだけ?」
「…………」
 図星だったのか、太宰は息を呑んで、黙ってしまった。安心させるため、芥川は彼に柔らかく笑いかけた。そして、そのいつになくぺたんと顔の周囲に張り付いている赤い髪を、そっと撫でた。
「っ、眠れないのは、本当です。でも、それは今日だけじゃなくて、ここ暫くほとんどそうなんです」
 苦しそうに吐露した太宰に、芥川は手を止めた。
「毎日、眠れないのかい?」
「はい……眠れても、すぐに目が覚めてしまったり、寝付けても朝方近くだったり。眠れるのは、補修されてる時くらいで……」
 そういえば、ここ一週間ほど、太宰はやけに潜書に赴く回数が多かった。自ら司書に頼んでいると聞いたが、もしかしてそれは、わざと耗弱の状態になり、浄化を受けるためだったのではないか。
 無茶をするなと一度やんわりと忠告したことがあったが、あの時太宰は「大丈夫です」と歯を見せて笑っていた。
「気付かなかった……」
「気付かせないように、してたんです……」
 云って、太宰は自嘲した。そのあまりに痛々しい顔に、芥川は苛立ちを覚えた。それは、太宰の異変に気付かなかった悔しさゆえだった。
「薬、欲しいって頼んでも断れるし……それ以外方法なくて」
「…………」
 眠れないから、薬に頼る。それはまるで、前世の己を見ているようだった。
 神経がすり減り、その一方で鋭さは日に日に増していくせいで、芥川の精神は休まる時がほとんどなかった。視界の端にはあるはずない歯車が見え出し、薬をあおっても眠れない夜もあった。不安、葛藤、芸術との死闘。抗えば抗うほど、心の平安は遠ざかった。
 今だって、決して己の精神世界は平穏なわけではない。文学と向き合うことは、未だに過酷な戦いだ。それでも太宰と違い、眠りにつけるのは、“自分に期待することを手放した”からだ。
 項垂れてしまった太宰の、病的に白い項をじっと見詰めていた。彼が何を抱え、何に怯えているのか、芥川にはわからない。しかし、その根底に己と同じ弱さと痛みを嗅ぎとることができた。
 今自分がここで、彼の首を絞めてやれば、彼はその苦悩から解放されるのではないか。暗い想像が、ぽつぽつと浮き出ては消えていく。
 芥川は手を伸ばした。しかし、その手は太宰の首を通り過ぎ、彼の右肩へと回った。優しく、彼の体を抱き寄せた。
「ここは、寒い。僕の部屋においで。一緒に、寝よ?」
 柔らかな髪に、頬を寄せる。囁き誘えば、太宰は確かに一度、頷いた。



 窓の外を、小鳥が飛んでいく。椅子に座ったまま何気なく眺めていると、背後にいる太宰が嬉しそうな声で云った。
「先生の髪、本当に綺麗ですよね。長いのに、毛先までさらさらで」
「ふふ、ありがとう」
 太宰の指と、そして彼の持つ櫛が、丁寧に芥川の髪をとかしていく。その柔らかな感触は心地よく、目覚めたばかりだというのに、微睡みそうになった。
 朝の身支度の時間。芥川はなかなか慣れない髪結いを、太宰にお願いしていた。「髪、結ってくれない?」と、そう頼んだ時の太宰の反応は、それは大袈裟なものだった。
「お、俺が先生の髪を!?」
「駄目かい?」
「いやいや!駄目とかじゃなくて、恐れ多くてっ」
「そんな大層なことじゃないよ」
 これでもかと慌てる太宰に苦笑しつつ、自分の櫛を彼に差し出す。暫しそれをじっと見ていた太宰だが、一度大きく唾を飲み込むと、「わかりました」と真剣な顔で云った。
 その目元には、うっすらと隈ができていた。しかし、昨夜の沈んだ様子は、今の彼からは完全に消えていた。
 中庭で太宰を見付けた後、芥川はその手を引いて自室へと戻った。眠れないのだと嘆く太宰の体を抱きしめて、その頬や唇に触れるだけの口付けを落とした。少しでも彼の心が穏やかになればいいと願いながら。
「芥川先生……」
 泣きそうな声で名前を呼ばれ、芥川は微笑んだ。太宰が愛しくて可愛くてたまらなかった。やはり首を絞めて殺してあげれば良かったと思うほどに。
 太宰は結局、一刻ほど経った頃、眠りに落ちたようだった。すでに夜が終わりかけ、朝日が顔を出そうとする時間帯だった。
「先生、できました」
「うん。ありがとう」
 太宰の手が髪から離れる。一つに纏められた部分に触れ、周りに後れ毛がないことがわかり、芥川は満足気に口元を緩めた。
「やっぱり、太宰君は上手だね。僕が自分でやると、いつも一房纏まってないんだ」
「あ、ありがとうございます」
 照れ臭そうに笑う太宰。立ち上がり振り返ると、その頬に朱がさしているのが見えた。ご褒美と云わんばかりに、そこに口付ける。
「っ!」
「顔色、良くなったね。少しは休めた?」
 顔を近付けたまま尋ねると、太宰の肌は赤みを増した。本人にそんなつもりはないのだろうが、図らずとも芥川の問いに答えるような反応だ。可愛いなと、こっそり心の中だけで呟いた。
「はい……。昨夜は、すみませんでした。ご迷惑かけました……」
「迷惑だとは思ってないよ。君に謝られるのは、少し寂しい。だから、云ってもらうならお礼の方が嬉しいかな」
「ありがとう、ございます」
「うん。良い子」
 首に腕を回して抱きつく。そして、互いの吐息がかかる距離まで接近したところで、芥川は目を閉じた。それは、芥川がキスをねだる時のサイン。太宰の手がぎこちなく腰を抱き、そして唇がゆっくりと重なった。
 ただ触れ合って、感触を楽しむように口付けを繰り返す。
「ね、太宰君。今夜も僕の部屋においで」
「え……でも」
「嫌かい?」
 わざと、ずるい訊き方をした。太宰が自分相手に嫌だと云えるはずがないと見込んでのことだ。案の定、太宰は返答に困り、そして首を横に振った。
「嫌じゃ、ありません」
「なら、決まり。今夜は子守歌でも歌ってあげる」
「子供じゃありませんって」
 そう云いながら、それでも太宰は、迷子の子供のような顔で笑った。


 真っ赤に熟れた果実が、くしゃりと潰れる音がした。


「太宰の様子はどうだ?」
 書庫の一角で、恩師の著書を開いていた時だ。突然声をかけられ、芥川はゆっくりと振り返った。
「森先生」
 こちらに歩み寄ってきていたのは、森鴎外だった。本を閉じ、本棚に向かい合っていた体を、彼へと向ける。
「太宰君の様子ですか?」
「ああ。ここ最近、自分の部屋ではなく、君の部屋で一緒に夜を明かしていると聞いた。彼は、眠れているか?」
 なぜ森が太宰のことを。
 疑問に思ったが、芥川は先に彼の問いに答えた。
「少しは眠れているようです。目の下に隈を作ることもなくなりましたから」
「そうか……」
「なぜ、太宰君のことを尋ねるのですか?」
 今度はこちらから尋ねた。森は声を潜め、云った。
「君だから云うが、以前、彼に睡眠薬を処方して欲しいと頼まれた。勿論、手元にそんな物はない。司書に相談したところ、館長から“それはできない”と断られたと返事がきた。だから、気になっていた」
「太宰君が薬を頼んだのは、森先生だったのですね……」
「ああ。薬のことは知っていたのか」
「ええ」
「太宰に必要なのは薬ではない。以前、気が塞ぐ時は君の本でも読んで安静にしていろと云ったのだが、どうやらそれは正しかったようだ。君と共にいて眠れているのなら、やはり太宰にとって君は精神の安定に不可欠な存在らしい」
「…………」
 中庭で太宰を見付けた、あの夜のことが思い起こされる。太宰の手には、芥川の本があった。それは森の助言に従った結果だったのだろう。
「不思議です」
「何がだ」
「僕のような存在が、太宰君のように才能ある小説家の支えになっていることがです。僕にとってのそれは、間違いなく夏目先生です。先生がこの図書館にいるから、僕は晩年よりも穏やかにいられます。でも、僕が誰かにとって、そのような存在になり得るとは思いもしませんでした」
「……そうか」
 頷く森の声は、心なしか優しかった。
 手にしたままの、夏目の著書を見る。何度、夏目の言葉に救われてきたかわからない。もし夏目が生きていたら、きっと自分は“あの時”自殺などしなかったのではないかと、そう振り返るほどに大きな存在だ。
「でも、僕は夏目先生のようにはなれません」
 夏目が自分にしてくれたように、自分が太宰を導くことは決してできない。芥川にとって太宰は弟子ではなく、またそれに近しい存在でもなかった。今の自分が彼の手を引いてあげることはできても、その先にあるのは破滅だ。
「もし、それでも……」
 ふと、吐息とともに漏れる。
「何だ?何か云ったか?」
「いえ、何も」
 森との会話は、そこで終わった。
 芥川は本を元の位置に戻すと、深々とお辞儀をし、その場を立ち去った。
 そろそろ、太宰が潜書から帰還する予定の時刻だった。

 廊下を歩いていると、向かいから中原中也が歩いてくるのが見えた。彼は確か、今日太宰達と共に潜書していたはず。中也がいるということは、太宰も戻ってきたのだろう。
 中也が顔を上げ、こちらに気付く。目が合って、芥川は自然と微笑んだ。
「中原君、お疲れ様」
「ああ」
 芥川が立ち止まると、中也も足を止めた。眠たそうな顔で、芥川を見上げてくる。気だるげだが、彼からは侵蝕の気配は感じられなかった。大した相手ではなかったのだろう。潜書後で疲れているのか、あるいはやりたくもない仕事をさせられてうんざりしているのか。
 どちらにしろ、あまり長く引き留めると機嫌を悪くしそうだと察して、芥川は手短に要件だけ伝えることにした。
「太宰君も戻ってきてるよね?どこにいるか知ってるかい?」
「太宰?あいつなら、今補修受けてるぞ」
「補修?」
「調子乗って突っ走って、耗弱状態。起きるまで暫くかかんじゃね」
「…………そうか」
「……何難しい顔してんだよ。あいつが馬鹿みてーにやる気出して大怪我するのなんて、今に始まったことじゃねぇだろ」
「うん……そうだね」
 無理やり口元に笑みを浮かべる。芥川は中也に向き直った。
「ありがとう。引き留めてごめんね」
「んな、謝ることじゃねーよ」
 粗野な口調で云いながら、中也は舌打ちする。しかし、その発言の内容は真逆のものだ。
 太宰と犬猿の仲だと聞いているこの詩人と知り合ったのは、図書館に呼び出された後のこと。芥川の友人である朔太郎に紹介され、それから彼の書いた詩を読んだ。その時、芥川が抱いたのは、間違いなく突き動かされるような感動だった。
 いても立ってもいられなくなり、芥川は寝間着姿で部屋を飛び出し、そして中也の部屋へ突撃した。まだ誰も起きていないような、早朝のことだった。
 “君は本当に、詩人という生き物が好きだね”
 前世、全く同じことを芥川にされた朔太郎が、淡々とそんなことを口にしていたことを覚えている。
 中原中也は間違いなく詩人だった。そのことをはっきり知った芥川は、それからというもの、この小柄で横暴な詩人のことが気に入っていた。そして中也もまた、少なくとも好意的に芥川のことを考えてくれているようだった。
「じゃ、またね」
「おう……あのさ、芥川さん」
「ん?」
 中也の横を通り過ぎようとすると、躊躇いがちに呼び止められた。振り返ると、中也は苦虫を噛み潰したような顔をしていた。どうしたのかと心配になって顔を覗き込むと、問われた。
「あんた、太宰と何かあった?」
「……それは、どういうことかな」
 やけに真剣な顔の中也が気になり、思わず声が抑えたものになる。中也は被ったままの帽子の位置をしきりに直しながら、答えた。
「あいつ、補修される時はいつも、“死ぬ時はぼっちは嫌だ”のなんだのブツブツ云ってたんだけど、今日だけ違ったんだよ……」
「違った?」
 続きを促す。しかし、中也はなかなか口を開こうとしなかった。迷っているのか、言葉を選んでいるのか。
「中原君」
 険しくなりそうな声をならして、名前を呼ぶ。ようやく、中也は言葉を発した。




「っ、ん」
 寝台で眠る太宰の瞼が動く。目覚めようとしていることがわかり、芥川は彼の髪を撫でていた手を止めた。
「太宰君」
 椅子に腰掛けたまま身を屈め、太宰の耳元に唇を寄せる。名前を吹き込むと、ゆっくりと太宰は覚醒した。
「あくた、が、わ先生……?」
「おはよう」
 頬を指先でなぞって、目尻に口付けを落とす。
「また、無茶したんだって?」
「すみません……俺、先生に褒めて欲しくて」
「……馬鹿だね」
 眠れないから、わざと補修を受けるために無茶をしたのかと思ったが、どうやら今回はそうではなかったらしい。
「無事で良かったよ」
「……はい」
 微笑みかければ、太宰も目を細めて笑った。寝起きのせいか、その瞳は僅かに濡れていた。泣き笑いしているように見えて、途端に愛しさがこみ上げてきた。
 同時に、先刻、廊下で中也から聞かされた話がよみがえる。
「……ねぇ、太宰君」
「はい」
「僕と、一つ約束をしないかい?」
「約束、ですか?」
「うん」
 頷いて、布団の下にある太宰の左手を取り出し、肘をついたまま、両手で握り込んだ。冷たくなった指先に頬を寄せる。太宰の、まるで猫のように大きく鮮やかな金色をした双眸を見つめながら、芥川は告げた。
「もし君が、生きることに絶望し、頑張ることに疲れきって、補修すら及ばないほどに侵された時は、僕に云って。僕が……君を殺してあげる」
 その瞬間、世界から、全ての音が消えた。風の音も、廊下の向こうから聞こえる物音も、互いの呼吸の音すら、何もかもがかき消えた。
「せん、せ」
 太宰の指が強張る。見開かれる両の目には、透明な光が差し込んでいた。
「殺してもらえるんですか、先生に」
「うん。殺してあげる」
「先生の刃で……?」
「うん。侵蝕者以外に通用するのかわからないけど」
 場違いなほど声を出してクスクスと笑うと、太宰もくしゃりと顔を緩ませた。

『殺して下さい、そう云ってやがった。あんたの名前、呼びながら』

 きっと、中也がそのことを芥川に告げたのは、太宰にそんなことを二度と云わせたくなかったからだろう。芥川なら、太宰を何とかしてくれると考えたのかもしれない。仲が悪いと云われながら、あの素直じゃない詩人は、太宰と親しくしたいと考えているのだとよくわかった。
(でも、ごめんね、中原君)
 心の中だけで詫びる。彼の期待には、答えてあげられそうになかった。
 芥川はいつか、太宰を殺す。彼がそれを望むなら、果てに待つのが破滅でも、芥川は太宰の手を引いて離すことはないだろう。
「本当はあの夜、絞め殺してほしかったんです……先生の手で俺を殺してほしかった」
「……気付いてたのかい?」
「先生が、俺の首を絞めようとしたこと、ですか?」
「うん。気付いてたんだね」
「はい……」
 太宰の左手が、芥川の手を握り返す。どこにも行かないでと、そう縋る子供のようだった。
「一人が嫌なら、ずっと、一緒にいよう」
「生きるのも、死ぬのも、一緒ですか?」
「うん。僕も、君が死んだら、すぐに逝くよ」
 甘く、苦い、約束の言葉だった。
「はい」
 頷く太宰の唇に、己のそれを重ねる。誓いの言葉を、互いの中に閉じ込めるために。


 それ以降、太宰が眠れぬ夜に彷徨うことは、二度となかった。









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