07
ファイがマスターソードというものになったらしい。なんでもバージョンアップ的なことを成し遂げたんだとか。しかもゼルダの力で。
ゼルダが女神だっただのなんだのすごい話がリンクから出てきているが、俺はいまいち理解できないでいた。まぁリンクたちの大事いうか、そういったことには俺はあまり関わっていないし、わからないのも当然だ
そういえばしばらくゼルダとは会ってないなぁ・・・・
しみじみと思って、本当にずっと会っていないことを実感した。少し寂しい
「え、何してんのエイル」
「いや、こうしたら可愛いなーと思って。ファイ、強化おめでとう」
「ありがとうございます。しかしファイにリボンは不必要なものと判断します」
自分の棚から見つけた、黒ではあるがリボンを取り出して、適当な長さに切って、ファイの首や右足にリボンを結ぶ。うん、中々可愛い。感覚的には人形にリボンしてるようなものだけど、でもかわいい
何度も頷きながらファイを見ていると、リンクは諦めたのか話を続けた。どうやらこれから大変になるから、しばらくは帰ってこれないらしい
それは残念だな・・・・ファイに会えないし
「もっと白とかリボンあればよかったのに・・・・なんで俺黒なんかもってんだよ」
「自分で買って置いて何言ってるの」
「でもやっぱ青とかがよかったかなー」
「もうリボンはいいから!」
本格的にリボンで悩み始めたエイルをストップさせて、リンクはため息を吐いた
「あちこち動き回るから、たぶん偶然会うこともないと思うんだよね」
「まぁしょうがないな。行ってらっしゃい。おみやげよろしく」
「おみやげって何。何もお土産に出来るものなんてないんだけど・・・・」
「なんでもいいよ。とりあえず一週間以内に帰って来い」
「人の話聞いてないことがわかった!僕時間かかるって言ったのに!」
「ファイに会えないなんて俺が辛いだろ!?」
「知らないよ!」
二人してぎゃいぎゃい騒ぎながら、ファイに結んだリボンをとりあえず解こうと手を伸ばす。
ファイが避けた
「?」
ファイに手を伸ばす。逃げられる。え?
何回かそれを繰り返して、ようやくファイの顔を見ると、ファイは俺の目の前まで戻ってくると「必要ありません」とだけ言葉にした。
首をかしげる俺とは対照的に、リンクがびっくりしたようにファイを見る
「リボンを解く必要はありません」
「え?・・・・あ、あぁ・・・・・?」
思わぬ返答に唖然とするしかなかった
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