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- ナノ -
09


一週間でなんとか終わった。スカイロフトにたった一週間で帰ってきたのだ

リンクは謎の達成感に足取りを軽くして、学校へと向かう。お土産である古代の花も手に持って学校に足を踏み入れると、そこは静かだった


「・・・・・・?」


しかも、多少物の配置やなくなっているものがある

どういうことだと思い食堂のほうへとむかってみたら、みんながみんな黙って食事をしていた。眉間を狭くする。そこにエイルの姿を探したが、エイルは見つからない

どういうことだと唖然として立ち尽くしていたら、バドがこちらに気づいて急いで向かってきた


「おい・・・・・お前、やっと戻ってきやがったのかよ!」

「は?いや、」

「エイルが大変なことになってんだぞ!?」

「!!」


そんなバドの言葉に驚いたと同時に、剣からファイが姿を現す。ただごとではないといったバドの雰囲気に、さらにリンクは表情を険しいものにさせた

どういうことだ。何があったんだ

バドに説明をお願いしながらも、エイルがいるという部屋に向かう。死には至っていないが、危ない状況らしい

もう三日も目が覚めていないといっていた


「ここだ。静かにしろよ」


保健室としてつかわれている部屋に、入る。すぐに薬のにおいが鼻をついて薬品のおかれている棚を見た。次に視界にはいったものはカーテンで、いつも閉まっていないはずのそこが、今日は閉まっていた。いや、今日といわず、三日間ずっと、閉まっているのだろう

ほんとうにゆっくりと、静かにカーテンを開けたそこには、

ぐったりとした様子のエイルが、目を閉じて死んだように寝ていた


「エイル!?」

「静かにしろっていっただろうがよ・・・・」

「ご、ごめん・・・・!でもまさか、こんなに酷いだなんて・・・・」


顔色もよろしくはない。外傷はどうやら背中にあるらしく、結構深くやられているらしい。出血量も多く、今は本人の回復力に頼るしかないのだそう

それを聞いたファイが即座に反応した

退室しようとしていたバドの前にすぐさまバドを飛び越え立ちふさがる。バドはびっくりしたように、しかし怯んだように「なんだよ・・・・?」と声を出す。ファイはバドにぐっと顔を近づけた


「どうしてこうなっているのか細部まで1から説明を強制します」

「ファイ?」

「魔物は確かに強敵だと判断されたのならばどうして多数で始末しなかったのか、何故エイル様一人に囮を任せたのか、空へ突き落とす方法ならいくらでもありました。ではどうしてそれを考え実行しなかったのか、強制です。説明をファイにしてください」


リンクが急いでファイを止めにかかるが、ファイはそれでも質問をやめるだけでバドの前から退くことはなかった

すごく、というか、こんなファイをリンクは見たことがなくて、正直びびっている。

だって今までファイは「強制」と言う言葉を使ったことがなかった。つかっても「推薦」ぐらいだ。バドは暗い顔でファイを見る


「エイルが一人で魔物相手に走り出したんだよ・・・」

「ではその後を追いかけることはしなかったのですか。強敵と判断したのならばエイル一人で相手に出来ないと理解できると思いますが」

「もうやめろ!ファイ!!」

「何故、エイルが、こういった目にあっているのか、ファイにもわかるように、言葉にしてください」


ファイの頬が濡れる。肩は震えていない。声もしっかりとしている。相変わらず無機質なものであるのに、あるはずのない涙が、ファイの目尻から伝い落ちていた



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