朝遊び





人間誰だって悩む時は悩む。

だって、そりゃ、頭つかってれば、悩みの一つや二つ、自然に出てくるものだし、
むしろ、悩みが出てこないっていうのは、ある意味、何も考えてないってことになっちゃうし



「けど、これは無いよ………」



どうもオレです、須田恭也…通称SDKで有名なあの、須田恭也です。

オレの悩みは現在ただ一つ!

眉目秀麗、容姿端麗、才色兼備、そんな四字熟語がよく似合うこの人……宮田さんだけだった。

宮田さんは、珍しくうたた寝をしているみたいで、現在机に突っ伏して、腕で顔を隠しながら、背中をゆっくりと上下に動かし、絶賛お昼寝中だ。

出来ることなら、寝顔を見たかったんだけれど、さすがは宮田先生、ガードは固いようで、呼吸がし辛そうな体制でも、それを崩す気配は全くない。


窓の外では、立春過ぎた季節をひっくり返して、まだ冬が続くことを主張するみたいに、雪が降り積もっている。

部屋は、雪のせいもあるのかもしれない。じっとしていると、ブルリと小さく身震いをしたくなるくらいに寒い。

けれど、宮田先生が寝ているあたり…………窓からちょうど10センチくらい離れた、診察室の簡素な机だけは、どんな季節になっても変わることのない太陽の光が燦々と差し込んで、寒さなど忘れ去せるかのように、ちょうど宮田先生が寝ているあたりを中心に降り注いでいた。


ほのぼの、と言ってしまえばほのぼのなんだけど、このままでは、せっかく遊びにきた俺は、骨折り損になってしまう。

まあ、そりゃ、今日は宮田先生の所で1日の半分を軽く潰すつもりでいたけれど、
それは、先生が起きていたら、の話であって、
そんな、宮田先生が熟睡してるなんて、考えもしてなかった。



「宮田先生ー?」



疲れて寝ている所を起こすのはきまりが悪いけど、宮田先生と、もとい、宮田先生で遊べないのは、俺にとっては、もっともっと悪い!
今日は、ちょうど休みだし、まあ、起こしたって良いんじゃないかな?なんて、自分に言い聞かせてから、宮田先生の体を揺さぶってみるけど、起きる気配は0。



「みーやーたーせんせー?」



語尾を長くしながら、名前を読んでみると、小さくピクリとだけ反応を示した。

けど、やっぱり起きる気はないみたいで、子供が駄々をこねるみたいに、
ほんのちょっとだけ見えていた眉間に、深くシワを刻んでから、顔をさらに深く、腕のなかにうずめた。



「宮田先生ー」



負けじと揺さぶると、鬱陶しいハエをはらうみたいに、シッシッと手だけ動かしてきた。

仕方ないから、強行手段に出てみことにする。


スゥ、と深く息をすいこんだ。



「起きないとイタズラするよっ!!良いの?良いんですか?良いんですねっ!!?」



耳元に手を当てて、声をあげると、宮田先生は途端に顔をガバッと上げた。
耳元を押さえながら、眉間に深くシワを刻んで、さっきの穏やかな雰囲気は、どこへやら。
物凄い面倒くさいモノを見るような目で、宮田先生はオレの方を睨んできている。



「耳、壊れるかと思いましたよ」

「だってー、イタズラするって言ったじゃん?」



恨めしげにこっちを見てくる宮田先生に、抱きつく。
髪からは、さっきの太陽の匂いと、宮田先生の匂いが混じって、すごい安心した。
こりゃ、眠くなるはずだー。


「宮田先生、良い匂いするー。」


せっかくのチャンスだ。
いつもは身長が足りないせいで、抱きついても宮田先生の頭までは届かないけど、さすがに座っている先生と立っているオレだと、やっぱり大きな身長差だ。
これチャンスとばかりに、うりうりと、頭に顔を押しつけて匂いを堪能する。


「鬱陶しいです」


ペチ、と首に回した腕を、掌で叩かれる。
宮田先生の方を見下ろすと、不機嫌そうな表情で、こっちを見てくる瞳と、目があった。

まあ、そこで気づいたわけだ。

この、頭の上、という場所が、絶妙な上目使いポイントだと。

寝起きだからか、眠たげな目を無理やり開けて、いつもより幼い表情の宮田先生。
まあ、当然ながら、こっちを見るときには、自然と上を向くわけだ。
唇を小さく曲げながら、不服そうに見上げくるその姿はまあ、一言で表すなら、可愛いの言葉につきる。



「みなぎるね、コレ」

「…………なんか知りませんが鳥肌が立ちました。離れろ須田。」



もう一度、髪に顔をうずめて、感想を言うと、イヤそうに、宮田先生が身じろいだ。


「………鬱陶しいっ!!」


そういうと、べりっと俺の腕を剥がし、立ち上がってしまった。
まだ眠たいのかフラフラと歩きながら、出口に向かおうとする姿は、なんか、なんとなく、今にもドアにぶつかりそうで、危険に見える。



「危ないよ、先生。」



軽く手をひけば、簡単にこっちにもたれかかってきた。うん、行動が素直で可愛い。



「せーんせ、大丈夫?」

「顔が近いぞ、須田。」



下心半分、心配半分で宮田先生を覗き込んだ所、バレていたようで、顔を押しのけられた。


宮田先生は、俺から離れると、頭をガシガシとかいてから、ねむたげに欠伸を一つして、瞼をゆっくりとまばたきさせる。



「ね、せんせ、ヤろうよ」

「性欲真っ盛りの中学生に付き合えるほど、俺は暇じゃありません。」



白衣の襟元を引っ張って、再度俺の方に引き寄せて、お願いするも、当然のように拒否される。

けど、まあ、別にここで止めようなんていう気はまったくもって微塵もない。


「良いじゃん、今日どうせ休みなんだし。」

「休みなんて関係な………んっ」


抗議の言葉を無理やり口で塞いで、手早く白衣を脱がせていく。
寝起きで上手く力が入らないみたいで、抵抗もロクに出来てない宮田先生は、せめてもの強がりとしてこっちを睨んでくる。

逃げる舌を追いかけて、絡ませる。
歯の裏筋を撫でるように舐め上げると、体が小さく震えて、宮田先生は目をキツく閉じた。

堪能するみたいに、口を犯していると、宮田先生は段々息苦しくなってきたみたいで、つらそうな表情を見せ始めていたから、口を離してやる。



「は……はぁ、はっ………」



酸素を大きく吸い込んで、呼吸を整える宮田先生を無視して、小さく反応しているものに、触れる。


「なんだかんだで、ヤる気満々じゃないですか」


特に何も考えてず、頭に浮かんだ言葉を発すると、宮田先生の顔が沸騰するんじゃないかっていうくらい赤くなった。



「先生、顔真っ赤です…………………可愛いですよっ!!」

「だまれ須田、変態」


真っ赤になりながら、睨みつけてくるけど、そんな目じゃ、逆効果だってことをこの人は、わかってるんだろうか、いや、わかってない(反語)


「かーわーいーいー」


ズボンに手を突っ込みつつ言うと、女子高生ですかアナタは、なんてツッコミを入れられた。


「ひっ………ぁ、須田っっ!」


自身をやんわりと握りしめてやれば、先生は、高い声をあげて、俺にしがみついてきた。
息を必死に吸ったり吐いたりしながら、背中を震わせて、与えられる刺激の一つ一つに反応する様はいつ見ても、いつヤっても、初めてみたいに初々しいというか、なんというか。



「先生、顔、見えない」



せっかくだし、顔もみたいから、しがみついてうなだれるみたいになった顔を、顎を掴んで無理やり上げさせる。
目尻に涙を溜めながら、ぼうっとこっちを見てくる姿は、………うん、エロいものがある。
…これは、クる。


先生の性器をイジりながら、顔を見てたら、なんだけにやけてきた。
そんな顔を見ると、途端に先生は、嫌そうに眉をひそめて、顔を背けた。


「先生、そんなイヤそうにしないでよ」

「誰のせいだとっ、ふぁっ!!?」


反論しようと開いた瞬間に、与えていた刺激を強いものに変えて、耳たぶを軽く噛んだら、驚いたみたいに声をあげた。


「ゃ、……ぁっ、須田っ!!…」


なすがまま、されるがままの、この状態で、先生は快楽にながされていってるみたいで、声が切羽詰まったものに変わっていった。


「っ、んぁっ!!ひ、ぁあああっ!!」


グリグリと鈴口を刺激してやると、体を大きく跳ねさせて、宮田先生はイった。

手をいったん、宮田先生から離すと、宮田先生は力の抜けきった体を、足が支えきれずに、疲れたように座り込んだ。



「はっ、は…………」


荒く息を吐いて、先生は目を潤ませながら、白濁で汚れた体をダラリと投げ出す。


「ね、せんせ」


しゃがんで、彼の視界の中に自分を入れさせて、優しく笑いかける。


「ヤろうよ」


掌に吐き出された白濁を舐め上げてから、満面の笑顔で、そう言えば、好きにしてくれと言わんばかりに、首に腕が回ってきた。






朝遊び

      



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