朝から一緒に





早起きは三文の得

などという諺があるが、所詮はそれは、人間が作った理だ。

早起きしたからといって、本当に良いことがあるかと言えば、100%そうとは言い切れない。

結局の所、その日の運やら行動やらに、左右されるものなのだ。












「ん…………」


突如訪れた覚醒に、宮田は珍しく自力で起床した。


まだ少し、窓から入る弱い太陽の光で、明るくなっただけの部屋を見て、朝だということは分かるが、時刻は不明だ。

とりあえず時計を見て、時間を確かめようと、宮田が体を動かそうとした時だった


「…っ!?…………ぁっ」


突然、体が痺れるような快楽が宮田を襲った。


後ろ目に見れば、石田が後ろから宮田の首もとに手を回して抱きついているのが分かる。

石田の方が宮田よりも身長が高いせいか、すっぽりと、とまではいかなくても、
宮田は収まるような形で石田に抱きしめられていた。


そのことが、みょうに宮田のプライドを傷つけたが、今はそこが問題ではない。


問題は、現在の状況だった。

現在、石田自身が宮田の中に入っていて、石田はその状態で熟睡している状況だ。


つまりは、石田と宮田は繋がったまま寝ている状況だった。

(…何がどうなってこうなった……)


混乱する頭の中で宮田は昨日の自分の寝るまでの行動を整理する。


(昨日は、家に帰ったら、酔っ払った石田さんがいて、そして……………………………………………………………………ヤられて寝た)


あまりにも、即物的で動物的でアホな行動をした自分と石田に、自己嫌悪と呆れを宮田は覚えた。


「……………石田さん」


とりあえず、宮田は石田を起こそうと試みる。

が、声をかけても石田が起きる気配はまったく無く、宮田の声は、空気を震わせるだけだ。


「…石田さんっ!!」


首もとの腕を、わりと強い力で叩いてみるが、変わらない。


このまま、中にある異物を無視して、また眠りにつければ良いのだが、一度気になったものは、否が応にも気にしてしまう。


気になればなるほど、中に入っているのに、刺激のない感覚に、もどかしい気持ちにもなるし、言ってしまえばツラかった。


最悪の悪循環の中で、宮田がやれることと言えば一つしかなかった。


「ぅ…………んっ……」


まだ痛みのある腰を動かして、宮田は石田自身を中から出そうと、体を動かし始めた。


漏れ出そうになる声を抑えて、ゆっくりと引き出そうとする。


「ふっ…………ぅ…」


しかし、昨夜情事をしたばかりの体は、未だに敏感で
宮田の思いと反して、素直に反応を示す体は、収縮を繰り返し、石田を飲み込もうとする。


眉を寄せて、目尻に涙を浮かべながら、宮田は力を入れた。


「んんっ…………ふ…」


唇を強く噛んで、声を抑えながら、体を引く。


「ふっ………ひ、ふぁぁあっ!!?」


半ばまでいった時、突然、宮田の弱い一点を掠めて、抑えきれない声が口からあがった。

突然、予期もしない強い刺激にびくりと体を震わせて、白濁を出した。


「ふぁ………ひっ、ァ…」


震えながら、なんとかして快楽をやり過ごそうとするが、すでに中心は再度、硬度を増している。

宮田は仕方なく熱い息を一つ吐き出すと、石田自身を引き抜く作業に戻った。


「ァ………ひぁぁっ、ふ……ぅ…」


弱い所を時折、掠めながら、ゆっくりと引き抜いていく。
イったばかりの敏感な粘膜をすられて、口を半分開きながら、あられもない声をあげる
強い快楽と自分の声に対する羞恥心に耐えきれなくなり、かたく目を瞑って、宮田は上手く入らない力を入れた。


「ぅ………ァっ……」


飲み込めなかった唾液が頬を伝う。
やっとギリギリまで抜いた所で、シーツを強く掴んで体に力を込めた。


「ひ、ぁあああっ!!……………ぁっ………はっ、はぁ…」


やっとの思いで、石田自身を引き抜いて、宮田は脱力する。

荒い息を吐いて、落ち着くと、だんだんと瞼が重くなってきた宮田は、唾液も拭わないままに、誘われるように、目を閉じようとした。


しかし、それは出来なかった。


「ひっ、ぁぁあああっっ!!?」


突然、体を押さえられたと思うと、深くまで一気に挿入された。

グルリと視界が一回転する。

見えてきたのは、天井と満面の笑顔を浮かべる石田の顔だった。



「宮田さん、珍しいですね、朝早くに起きるなんて」

「ひぁ………」



ニコニコと笑いながら、宮田の腕を押さえつけて、石田はユルリと腰を動かす。

何が起こったのか、まったく理解できていない宮田は、ただ呆然と目の前の快楽を受け入ることしか出来なかった。



「さすがに、あれだけ強く腕叩かれたら、いくら俺でも起きますって」



石田は苦笑して、宮田自身に触れながら、額に口付ける。


こういう所で宮田さんって頭悪いですよねー可愛いっ!!などと言いながら石田は宮田に刺激を与えていく。



「ァっ……ひ、ぅ…ぁあっ!!」


力の抜けきった体でまともに抵抗することも出来ず、されるがままに宮田は声をあげる。


「んー、まあ、ともかく、今日休みですし…朝早いですし…………」



石田は、何やら考え込むようにしてから、笑顔で宮田に言った。


それはもう、良い笑顔で。


「目いっぱい、ヤりましょうっ!!」



踏んだり蹴ったりにも程がある、と宮田は心の中で叫んだ。






朝から一緒に
  



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