貴方が…、





「牧野さん、もっと先生のことリードしてあげないと、可哀想だよ」





ニコニコと少年らしい笑顔で淳様が言った言葉に、私は、雷が落ちたような衝撃を覚えた




ここは、いつもの教会でも、神代宅でもない、私の家である。

偶然帰り道に淳様と会い、家に招き入れると、彼に、宮田さんとの生活、というか性活についてあれこれ聞かれた

そのあとのこの言葉であった



「そ、それはどういう………」



震えながら、私は聞く


「だってさ、受け側としてはさ、受け入れるだけでもいっぱいいっぱいなのに、そんな、攻めにオドオドされちゃ困っちゃうじゃん」


彼が言うには、私はもっと主導権を握るべきだという話らしい


しかし、そんなことを言われても、私は今まで祈り一筋だったから、やり方なんて根本的なことから分かってない

なのに主導権を握れと言われても、到底無理な話だった



「どうすれば良いんでしょう……」

藁をも掴むとはこの事かもしれない
何歳も年下の相手こんなことを聞かなきゃいけないとは、情けない話かもしれない

「うーん、そうだなぁ……あのね牧野さん………」








「完璧です………」



衝撃の言葉から、二週間

私はひたすら勉強を重ねた


淳様に口頭で教えていただき
そういう本を貸していただき
インターネットで調べて……




私はなんとか、リードの仕方を身につけてきた
といっても、脳内シュミレーションだけですけど………



しかし、良い機会がない



もともと宮田さんとはそんなしょっちゅう会っているワケでは無いし、
彼の方が力は少しばかり強いから、そういう空気を作るのも難しい

「体力なら勝ってるのに………」

考えてみたが、やはり医院に行って、宮田さんに会うのが一番手っ取り早いということで、行くことにした



もとより、その予定であったのは内緒である






「次の方、どうぞ」


宮田さんの声が届く
今日は美奈さんがいないみたいだ
なんて、タイミングが良いのだろうか

まあ、狙ってやったわけなんですが


さすがに、美奈さんがいるのは……アレですから


しかも、患者は私一人のようだ
これは、運が良かっただけである緊張しながら、診察室のドアを開ける


「牧野さん、どうしましたか」


私のカルテを見ながら宮田さんが言う
こういう所を見ると、医者なんだなぁと感じてしまう

「宮田さん、今日はもう終わりですか?」



あああああ、いきなり過ぎた気がする………
さりげなさが全くなかった………

「そうですね……どうされたんですか?」

良かった、気付いてない。
逆にあれだけで下心に気付くのもどうかと思うけど



心臓が高鳴る



「その……今日は…し、しましょうっ!!」





「…………は?」





ああ、なんて顔だろう
宮田さんの嫌悪感溢れる顔が、私の勇気を後戻りさせた

けど、今日の私はいつもの私ではないっ!!

「いえ、最近してなかったので、溜まっているかと………」


ふふふ、完璧です
本と全く同じセリフです
これで、彼も落ちるはずっ!!



「……いえ、別に」
「えっ」



………どうしよう、全く予定と違う


というより、正直溜まっているのは自分なんじゃないかと感じた

頭をフル回転させながら考えていると、宮田さんが溜め息をついた

「別にヤって良いですけど、ここでは…………嫌です」

………ああ、少しキュンとしてしまった




逆にここでしたくなってしまった
ので、ベッドに押し倒してみようと思う


ドサッ



「いえ、ここでしたいです」



こんなことをされるとは思っていなかったのか、宮田さんの目が驚きで大きくなる

これは…………良い流れじゃないか………?


「ちょっ、牧野さんっ」
今更宮田さんは焦ってみるけど、彼は下にいて、私は上に乗っかっている
いくら力をいれても、逆転は無理だったようだ


しかし、殴られると怖いので、とりあえず流れ込もうと思う


彼の白衣を脱がせる


「牧野さんっ!!」


今までに無い行動に、宮田さんが本気で焦り始めた

これは、本当に良い流れだ

これまで、こんなに私が優位になったことがあっただろうか
いやないでしょう(反語)
「ひっ…」


首筋をベロリと舐めると、宮田さんの体が少し震えた

不安で震える瞳を見てから、安心させるように深く口づける


「ふっ……んっ…」


その間に彼のワイシャツとズボンも脱がしていく

正直に言ってしまうと、これも本から得た知識だ
ついでに言うとキスの仕方も本で読んだから、格段に上手くなっているだろう



「はっ……牧野さっ!!?」



唇を話すと深呼吸させる時間も与えず、彼自身を握る


いきなりの刺激に驚いたのか、宮田さんがビクッと震えた
そのまま彼自身を扱っていると、だんだん濡れてきた



「宮田さん………きもちいいですか…?」



彼の耳元で囁くと、またさっきとは別の意味で震えた


「はっ……黙って…下さいっ」


思いっきり睨まれるけど、羞恥からか顔が真っ赤でまったく怖くない


胸を舐めながら、後ろに指を入れる


最近していなかったからか、中は指一本を受け入れるのにすら必死だった

時間をかけて解していき、やっと三本はいるようになった確か本だとこのあたりだったはず



「うぁっ!!!?」



突然宮田さんが目を見開いて、体を大きく震わせて、私の服を握りしめた
確か、前立なんとかという所だ


「…宮田さん、どうですか?」

もう一度聞いてみる

「ひっ……ふぁっ………うっ…………うるさい、っ、ですっ」


口は強気だけど、明らかに気持ち良さそうだ
その証拠に、自身は既に起ちきっていた


本当に何もかもが上手すぎて、自分に驚いた
宮田さんは既に、私にすがりつくようにしながら、荒い息を吐き出していたし、
口では悪態を吐きながらも、相当気持ちよさそうだ


私は服を脱いで、宮田さんに軽くキスをする

そして、彼を貫いた


とりあえず中に入れて一息つく


「う、ぁっ……深、い」
「宮田さん………動きます……」


まだ少し息を荒くしている宮田さんを見ながらゆっくり動き始める


そして、宮田さんのさっき見つけた場所を中で探す

「っは……ぅ…………まきの、さっ……はや、ぃ」

苦しそうに彼が言う
なんか凄く可哀想に見えてしまう



さて、どうしようか



ふと、彼自身が目に留まった
とりあえず、もう一度扱ってみよう

「まきの、さっ、んっ………ふ……ひ、ぁ………ふぁ、っっ!!」

彼の声が呻きから、甘いものに変わった時、ちょうどさっきの場所も見つけた

「まきっ、さっ……まっ………やぁ、っ、………そこ、嫌ですっっ」


イヤイヤと子供の様に宮田さんが首を降る




かっ、可愛いっっ!!




「はっ………けど…宮田さん、気持ちいいみたいですけどっ?」




そう言いながら、宮田さんに口づける


「まきのさっ……もぅっ………!」
「宮田さんっ……」

そろそろ限界が近いのか、宮田さんが服をいっそう強く握る

私も限界が近く、宮田さんの最奥をえぐる



「ふっ、ひゃっ、うぁぁっ!!」



一際彼が大きく喘いで欲を吐き出す

私も一緒に彼の中に達する



「ふぇっ、ひ、ぁ………中、あつ……」





彼の言い方が無駄に色っぽく、少し反応したのはしょうがないことだと思う








あの後結局、二回ほどしたあと、宮田さんの体力が保たなくなり、
私の計画は大成功に終わった



「………………誰の入れ知恵ですか………」



ベッドに突っ伏しながら、宮田さんが私に低い声で尋ねる

「い、入れ知恵……というと………」

マズい、これは非常にマズい状況な気がする

「貴方が一人で、ヤり方の間違いに、気付くわけがありません……」


間違いって……


「わ、私だってやる時はやるんですっ!!」

絶対に淳様のことをバラしてはいけない
子供を生贄にするなんて、人間のすることじゃない………気がする



しばらく見つめられる
沈黙が気まずい



「………もういいです」

そういうと彼はツイと視線を逸らして、不機嫌そうに枕に顔を埋めた




なんというか、可愛い




「宮田さん、好きですよ」
頭を撫でながら言うと
「……殴りますよ」
思いっきり睨まれた




………やっぱり怖いです






貴方が…、
 



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