「ジェイド!」

「なんですか、夜明け前から…」

カイナの呼ぶ声がする。ああうるさい、体内時計だとまだ明け方の四時のはずだ。まだ起きるには早い。

「早く起きてよ、ジェイド!」

耳元でやかましい。しかも人の頬をぺちぺちと………ぺちぺちと?

「あ、やっと起きた」

「…カイナ」

「なに?」

私はカイナの襟首を掴みぶら下げる。そう、ぶら下げている。

「何故、その姿なのですか」

目の前の白い生き物――もといカイナは首を傾げる。

「……さぁ?ちなみに人の姿にはなれなかったから」

今日はよろしく!とのんきに手を上げるカイナを投げ飛ばしたくなったのは、気のせいではないだろう。

ああ、頭が痛い。


相互記念、『死霊使いの飼育日記』

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