ジェイドがカイナをからかったり、ガイがジェイドにからかわれたり。ダラダラと時間は過ぎ、夕飯を済ませたジェイドたちは食後の一服を迎えていた。

「そういえばカイナの風呂ってどうするんだ?」

「いつも私が入れてますよ」

「「「え!?」」」

ジェイドの発言に三人が一斉にカイナのほうを見る。

「…この姿の時だけだし、一緒に入っている訳じゃないよ」

「おや、三人とも何を想像したのですか?」

「い、いや。何も」

「…すみません」

「大佐ー、槍をしまってくださーい」

ガイは冷や汗、クロームは顔を赤くし、ハイウェルはいつものように飄々とした風だ。ちなみにジェイドは爽やかな笑顔でガイたちに槍を突き付けている。

「冗談は置といて、先に入れてしまいましょうか」

「そうだな。じゃあお湯の準備しとくよ」

「ありがとうございます」

まめまめしく動くガイを見ながら、ハイウェルはぽつりと呟く。

「さすが元使用人…」

「お前もだろうが」

クロームのハイウェルへの突っ込みは、今は触れないでおこう。

お湯がわいたので風呂場に入り、わしゃわしゃと石鹸を泡立てながら、ジェイドはカイナの背中を洗う。

「どうですか?」

「んー、もう少し右」

「泡に気をつけてくださいよ?」

「ん」

耳の付け根を洗っていると、耳がぴくぴくと動く。どうやら気持ちいいらしい。

そんなやりとりをを部屋で聞いていたガイたち。ハイウェルは暫く唸っていると、ふいに顔を上げた。

「なんかさー、……エロく「聞こえてますよー?」…すんません」

危ない台詞にジェイドはは釘を刺しておく。

「でも普通に考えるとそういうことだよな」

「大丈夫だろう。大佐も将軍も変だから」

クロームは無表情のまま断言する。それを聞いたジェイドは苦笑した。

「おやおや、変だそうですよ?」

「いまさら否定もできないよ」

そう言うとカイナは身を震わせる。

「ちょ、泡を飛ばさないでください」

「あ、ごめん。うっかりしてた」

「流しますから目を閉じていなさい」

必死に目を閉じて、その上から手で押さえているカイナを見ていると笑えてくる。

風呂場から出ると濡れた体をしっかり拭き、机の上に乗せた状態でドライヤーをかけると、カイナは気持ち良さそうに目を閉じている。

ひっくり返すと、だらんとリラックスした状態で腹をさらけ出している。……とりあえず、成人女性にはまったく見えない。

「おー、つやつやになったな」

「しかし手慣れてるな」

「最初の頃は入浴の方法を知りませんでしたからね。よく入れていたんですよ」

ジェイドは苦笑しながらそう答えると、ブラシを掴み毛を梳き始めた。


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