さん、に、いち……
カチ、と長針が12の数字を指す。
時刻は14時──
新入生歓迎会終了時刻だ。
「蓮、最終の統計宜しく。」
「え〜、もうそのまま事務に出してもらえばいいじゃん」
「発表は蓮がするだろ、樋坂君は結果を書き留めて景品を各代表によろしくね」
「は、はい」
結果発表は14時半からだ。ぞろぞろと生徒が運動場に集まってくる。それを横目に、景品の入っている封筒を準備しながら記入する内容を確認する。
「で、」
デート欄って……
しかも日にちや時間、場所や内容の詳細まで書き込むことになっていた。
副会長が最初に言っていたことに従うとなると、この項目は相手からの希望を聞くことになるわけで、
「…………うんんん、」
やっぱり、好きにしてねはどうかと思います副会長。。いやでも、なんとなくだが、柴麗さんはそんな非常識な──あ、
ボコらせてくださいもアリってことじゃ……?
「…………まじか、」
「おい退け、」
「!、すみま……あ、お、疲れ様です、!」
ぐいっと押されて何事かと顔を上げたら唯一逃げきった会長だった。
どうやらここに置いてあったお茶を取りにきたみたいで、中身を一気に飲みほしていく。普段制服でしか会ったことがなかったから、体操着から見える引き締まり具合に吃驚する。
「、捨てとけ」
「え、!……ってそれ!」
空になったペットボトルを渡されると同時にばさっと首にかけてあったタオルをとられてしまった。
めっちゃ走ったわけでもないから、そんなに汗はかいてないけど……!!
なんて俺が気にしても、当の本人はさも自分のものみたいに平然と生徒会席の方へ行ってしまった。
「………タオル返ってこなさそうだな……」
ぽいっとゴミ袋にペットボトルを入れて、それぞれの景品の準備を進めに戻った。
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shiori
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