*戌川視点
「…………俺が鈴葉を捕らえれる確率はどのくらいだ」
「50%」
予め甲斐凪に鈴葉が誰かに捕まりそうになっていたら捕まえろとでかい手伝いを投げられていたのだが、どうやって仕組んだのか本当に俺は今日くじで鬼側になり、開始早々不正がバレないようお互いに離れた所から会話をしている。
「半分でよくも頼んだな」
「あんたの性癖を踏まえて」
「趣味と言え」
「俺は別件がある。鈴葉様はいつもの庭にでも隠れていらっしゃいますよ」
そう挨拶もないまま、簡潔に言い終えた甲斐凪は足早に去っていく。
「いつもの庭、って、アイツもアイツで単純な所に……」
生徒会メンバーが捕まればアナウンスされるため鈴葉の安否は分かりやすいことは助かるが、俺が捕まえた時にアナウンスされるのは大問題だ。
同じクラスの奴らには影響はないが、他のクラスの鈴葉好きの奴らに変な勘違いをされて注目を浴びるのは腐男子として終わりだ。
「…………かといって」
他に捕まえてもらうとしても風紀委員は参加していない……生徒会、親衛隊長は逃げる側。隊員も甲斐凪が手を掛けているに違いないわけで望みなし。
……柴麗はこの企画自体どうでもよさそうだ。まず鬼側か分かっていない。
「一般生徒……モブ攻めか………………」
アリだな………………?
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shiori
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