*甲斐凪視点


「…………2年E組──出席番号6番、12番、18番、27番、28番」


まさか柴麗が片付けるとは思わなかったが、それは奴が勝手に行動しただけであり、まだ制裁は済んでいない。予定は崩れてしまうが後日に回すとして、一先ずは─

「……っわ、俊…………!?」

「ああ、鈴葉様、お待ちしておりました。こちらを」

ぱたぱたと駆けてきた鈴葉様に新しい制服を入れた袋を渡す。

「……えっ、……制服??何これ、っていうか、なんで……えっと授業は?あっ今何限目だっけ……休憩時間とか?」

「4限目の途中です。親衛隊員は場合によっては抜け出せます。お持ちした制服は着替えていただこうかと」

「…………?、着替える?」

意味がわかっていないのか、首を傾げておうむ返しされる。相変わらずだ。

「はい、そちらに第二保健室がありますので」

「…………先生にはなんて?」

「ここに保険医はめったに来ませんよ。第一保健室が基本ですし」

「ふーん、じゃあ……─ってなんでついてくるんだよ」

「何かあったらどうするんです」

「………何かって…、あ、そこから動いたら怒る」

保健室へ入ってすぐ、俺の事は警戒しているらしい鈴葉様はそう言ってベッド前のカーテンを閉めた。

普段からそうやって危機感を持ってくれさえすればまだいいのだが。

今回の件もそうだ。

桐神が食堂に連れてきたあの日、鈴葉様の日頃の所在は生徒達に広まり、あまり生徒会の影響力を理解していない鈴葉様は一部の奴らにしてやられた。


「……ネット回線の改善、レンズをもう少し広角にする必要がある─」

「レンズ……?」

「!、いえ、サイズの方はいかがですか」

「うん、大丈夫。これどうすんの?」

今度は先程まで着ていた制服が入っている袋。俺はそれを受け取った。

もちろん、


「捨てます」

「………………へ?」

「捨てるんです」

「なんで?!」

「…………?、E組の一般生徒数名の痕跡はいただけませんよ」



そうでしょう?


mae ato



70/143 / shiori








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