「!、……あれ……?」

ハッと飛び起きたらベッドの上。時刻は午前8時。服も制服ではなく部屋着だ。

「いつ着替えたっけ……」

寝るなと言われて寝たことは覚えているが、それ以降は記憶がない。それにここは雅也の部屋だ。肝心の本人は居ないが、美味しそうな匂いがしてくるのでキッチンだろう。

「……お腹へった」

それもそう、昨日はあのまま夜ご飯を食べずに朝を迎えたのだ。ぺこぺこだ。

っていうより、俺めっちゃ寝たな…………?

疲れてたのかなあと欠伸をひとつ、リビングへ出た。

「おはようー」

「、ああ……。死んでないか焦ったぞ」

「大袈裟な」

「……お前、もう庭では寝ないことだな」

「えっ、どういう意味だ?なんでそんなこと知ってんの!?」

「…………自分で考えろ生徒会書記」

ドン、と机に朝ごはんが並べられた。フレンチトーストだ。しかもついでなのかパンケーキもあってフルーツも生クリームも盛りだくさんである。

「雅也さん……?」

「なんだ」

「豪華すぎません……?」

「……そうか?さっさと顔を洗ってこい。シャワー浴びるなら浴びる」

「あっ、浴びてきます!」

ふざけて敬礼をしたら早くいけと顎で洗面所の方へ促された。

ちょっと切ない。


mae ato



66/143 / shiori








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