「!、……あれ……?」
ハッと飛び起きたらベッドの上。時刻は午前8時。服も制服ではなく部屋着だ。
「いつ着替えたっけ……」
寝るなと言われて寝たことは覚えているが、それ以降は記憶がない。それにここは雅也の部屋だ。肝心の本人は居ないが、美味しそうな匂いがしてくるのでキッチンだろう。
「……お腹へった」
それもそう、昨日はあのまま夜ご飯を食べずに朝を迎えたのだ。ぺこぺこだ。
っていうより、俺めっちゃ寝たな…………?
疲れてたのかなあと欠伸をひとつ、リビングへ出た。
「おはようー」
「、ああ……。死んでないか焦ったぞ」
「大袈裟な」
「……お前、もう庭では寝ないことだな」
「えっ、どういう意味だ?なんでそんなこと知ってんの!?」
「…………自分で考えろ生徒会書記」
ドン、と机に朝ごはんが並べられた。フレンチトーストだ。しかもついでなのかパンケーキもあってフルーツも生クリームも盛りだくさんである。
「雅也さん……?」
「なんだ」
「豪華すぎません……?」
「……そうか?さっさと顔を洗ってこい。シャワー浴びるなら浴びる」
「あっ、浴びてきます!」
ふざけて敬礼をしたら早くいけと顎で洗面所の方へ促された。
ちょっと切ない。
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shiori
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