「え、あの、」
「首は大丈夫。他はどうかは知らないけど、」
「な……っ……」
副会長らしからず、怖い笑顔でそんなことを言われた。今のはどう考えても俺が誰かに抱かれたことがバレてしまったのだ。死のう……。もっと平然を装ってほしかった過去の自分。
突然なんでそんなことを、と思ったけれど
(もしかして七恵先輩が話したとか……?)
そうだったとしたらもっと死にたい。
恥ずかしすぎる。婿になれない。
言ってしまえば黒歴史なのだ。
「樋坂君?着いたよ」
「!、……」
ガチャリ、と気がつけば着いていた生徒会室の扉が開かれる。軽く礼をいって入ったが、この流れで副会長さんと二人っきりかあ、そうか…。
「………………はあ、」
そそくさと自分の席に座ってぐったりと項垂れた。さっきパフェを食べたところだが、甘いものを食べて何もかも忘れたい……。
「……スイーツビュッフェに行きたい……」
「スイーツビュッフェ、ね」
「すいません独り言です」
「ケーキなら冷蔵庫に入ってるよ」
食べる?と返事を言うまえに冷蔵庫を覗きにいった副会長さん。今日はとことん有無を言わせてくれない。
「…………何ケーキだろ」
さっきは生クリームだったし、カスタードクリームがいいな。
全部忘れてやる。
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shiori
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