*戌川視点
「……キスならず、姫抱きで登場か」
あの会長にしては随分とレアな行動だ。手を出したか?とも一瞬思ったが、まだそれは無いだろう。七恵じゃあるまい。
定食を口に運びながら、彼らの事を見守る。書記就任後初の食堂登場は生徒にも衝撃をあたえまくりだ。
普段は大人しくせざるを得ない鈴葉好きでさらに混雑、といったところか。
「…………お、」
縮こまっていた鈴葉と副会長との距離が近くなった。ここから見ればほぼくっついている。わざとか???なんだ???顔が近いぞもっとやるんだ。
正直王道とはいかずとも鈴葉には総受けの素質がある。その中でもこの二人、個人的には最近の推しだったりしている。何せ鈴葉を淫乱に仕立てあげそうな…まあ、甲斐凪も捨てがたいか。柴麗とのフラグもあるわけだし、
「……あとは風紀と関係を持ってくれさえすればな」
小さくグッジョブと親指を立てつつ、ふと視線を外せば丁度人混みを避けたあたりにいる甲斐凪が目に入った。相変わらずタイムリーな奴だ。えげつない顔で生徒会席を見つめているが、アイツの難点はそこだろう。
「嫉妬深すぎる」
固定となれば万歳ものだが、総受けとなれば少々─
そう言ったとして、どうなろうが俺が萌えることに変わりはないのだが。
とりあえず、
「──さっさといい盗聴器、探すか」
61/143 /
shiori
←