「オイ!クソが離せつってんだろ…!!」

「一言答えりゃあ離してやる」

「ぜってぇ言わねぇ」

「ほう?」

「委員長、コレが用あるみたいだけど」

飛び火しても嫌だと近付いてくるにつれ俺が数歩後退りしているのに対して、この人は二人が言い合っている最中だろうと関係ないのか、用件を切り出した。

「あぁ?今は遊んでる場合じゃねぇオマエが請け負ってろ。今度連れてこい」

「……そう、勝手にする」


バタン。

事の成り行きを頭が理解する前に、颯爽と委員室に委員長さんと不良さんが消える。

途端にガッシャーン!と何かが割れる音が聞こえてきたが……。見間違えでなければ不良さんはついこの間俺が躓いた不良さんだった。世間って狭いなあ……─なんつって。何か一言でも委員長さんに嫌味を言われると思っていたからか、少し拍子抜けだ。

とにかく必然的に俺と委員の人と二人きりの状況に戻ったわけだけれど、この人さっき委員長さんにタメ口利いてたよな……?


「で、ソレ貰えばいいの、」

「、、はい……新入生歓迎会の企画書です」

委員長さんと同じ学年か…?企画書を渡しながら制服を確認するが、肝心のネクタイもしていないし、というか……同じ学校か疑うほど改造されているし。

「……なに」

「えっ、いやっ、」

ジロジロ見すぎたのか、資料を確認していたその人がこっちを見た。

「言って」

「…………どうでもいいことなんで……」

「………………」

「…………何年生なのかと」

「……柊翔太(ひいらぎしょうた)、1年、副委員長」

「…あぁなるほど……1年………いち、えっ……」



い ち ね ん せ い

副、委員長?


「年下……!?」

「…そうだけど」


そうだけどじゃない。
そうだけどじゃない……!!


風紀委員の縦社会が少し心配になった。

俺の身長も心配になった……。


mae ato



56/143 / shiori








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