「!、おはようございます」
「………………」
生徒会室。
居たとしても副会長、そんな決まりが俺の中で確定されようとしているなか、会長が居た。
此方に目を向けただけで挨拶は返ってこなかったけれど、判子を押しているのを見る限り仕事をしているみたいだ。
「あ、樋坂君おはよう」
「副会長……!おはようございます」
「予算はいけそう?」
どうやら副会長さんも居たみたいで、キッチンからおぼんを持って出てきた。相変わらずお菓子は盛り沢山だ。
「大丈夫です、書きこんだらすぐ提出してきます」
「うん。隆也に判子押してもらってね」
「あ…はい」
会長の判子がいるらしい。
それで……居る、のかな?
早速自分の席に座って、昨日まとめた企画書に予算を書きこむ。控えと、教務と、風紀。
よし。
「…………」
ちらりと会長を伺う。
顔整いすぎだろ………。
「………会長─、」
「貸せ」
「えっ、あ、」
判子お願いしますと言うまえに、手を差し出されて慌ててその3枚を渡す。
「……これが控えか?」
「、そうです」
言うや否やスッと控えの分を抜いた会長は、他の2枚に手早く判を押して渡してくれた。
「あ、ありがとうございます」
「フン、さっさと行け」
「…………」
雅也さん…………これが俺様ってやつですか……
内心そんなことを思いつつ、行ってきます、と小さく返した俺は生徒会室を後にする。
出る間際に頑張ってね、と副会長さんは言ってくれたけれど、提出に頑張るも何もない、よな……?
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shiori
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