「!、おはようございます」

「………………」

生徒会室。
居たとしても副会長、そんな決まりが俺の中で確定されようとしているなか、会長が居た。

此方に目を向けただけで挨拶は返ってこなかったけれど、判子を押しているのを見る限り仕事をしているみたいだ。

「あ、樋坂君おはよう」

「副会長……!おはようございます」

「予算はいけそう?」

どうやら副会長さんも居たみたいで、キッチンからおぼんを持って出てきた。相変わらずお菓子は盛り沢山だ。

「大丈夫です、書きこんだらすぐ提出してきます」

「うん。隆也に判子押してもらってね」

「あ…はい」

会長の判子がいるらしい。
それで……居る、のかな?

早速自分の席に座って、昨日まとめた企画書に予算を書きこむ。控えと、教務と、風紀。

よし。


「…………」


ちらりと会長を伺う。
顔整いすぎだろ………。


「………会長─、」

「貸せ」

「えっ、あ、」

判子お願いしますと言うまえに、手を差し出されて慌ててその3枚を渡す。

「……これが控えか?」

「、そうです」

言うや否やスッと控えの分を抜いた会長は、他の2枚に手早く判を押して渡してくれた。

「あ、ありがとうございます」

「フン、さっさと行け」

「…………」


雅也さん…………これが俺様ってやつですか……

内心そんなことを思いつつ、行ってきます、と小さく返した俺は生徒会室を後にする。

出る間際に頑張ってね、と副会長さんは言ってくれたけれど、提出に頑張るも何もない、よな……?



mae ato



54/143 / shiori








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