「……はぁ、」
生徒会室へ向かいながら、今日何度目かの溜め息をつく。俊は授業へ行ったので気恥ずかしい思いをすることはないのだが、依然処理が追いついていない頭を整理していたり。
「…………(俊も相当アレだけど、今まで気づかなかった俺も俺だよな……)」
いや?でもつまりアイツどの部屋でも勝手に入れんの……?
まずいつから──…
考えれば考えるほどゾッとするような疑問が生まれていく。別に悪い奴ではないと思ってるけど……
ウンウンと頭を捻りながら、もう少しで生徒会室というところ、不注意でどんっと誰かにぶつかってしまった。
「……っ、す、すみませ……!──げ、…」
「…げ、って」
七恵先輩……!
「いや、その、お、おはようございます……」
「おはよ〜、待ちくたびれるとこだったし。これ、樋坂ちゃんにプレゼント」
「……え?」
はい、と紙袋を渡される。
大きさのわりに重さはない。
「ちゃーんと渡したよ?じゃあね〜」
「あ、ちょ……」
「お仕事ガンバって」
制止の声は届かず。
先輩は生徒会室とは真逆の方向へと行ってしまう。
わけも分からず取り残された俺は、反射的に受け取ってしまった紙袋をそっと覗いてみた。
「……ネクタイ、と……シャツ……と?……紙?」
なんだ?と思ってそれを取り出せば、前年度、今年度、と比較されたような数字が書かれている。桁数すごいけど、一体何の………って
「予算か……!」
すっかり副会長さんに頼る気でいた俺は、予算だろうそれにびっくりする。あの人一応仕事するんだ……。
これで記入すればあとは持っていくだけ。
大きな仕事は一旦これで落ち着くが、生徒からの目安箱等の雑務は日に日に山積みになっているので、暇はなさそうだ。
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shiori
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