*戌川視点
『ああ、すみません。今日はお身体に障りますし、ゆっくり休んでください。長くなりますし、続きは明日。おやすみなさい』
『あ…………待、……おやすみ』
「………………」
すっとずれた眼鏡を上げる。
なんだ?なにが起こっている??
萌えの供給が大きすぎて途中から息がしづらくなった。
俺は今朝、柴麗と甲斐凪の争いを止めに入った際、然り気無く盗聴器を仕込ませてもらった。甲斐凪にだ。
正直気づかれると思っていたが今の今までそういったアクションはない。
おかげで大変だった。授業に集中できないわ飯食う暇もないわで俺は消えるのではないかと。
とりあえず分かったことは早速抱かれていたということだ。しかも甲斐凪ではなく七恵だ……と思ったが、さっきの会話からして、甲斐凪は鈴葉を……抱いている……?……いつだ……つい最近か?それとも、まさかこの部屋でか???
なぜ続きを話さなかったアイツは!!!!!
思わず机を叩く。お茶が溢れそうになったのは見なかったことに。ただ本当にもし、ここで事がなされていたのなら俺は大きな失態をおかしている。生音だぞ……乾杯したかった。
何にせよ今日はこれ以上の収穫はない。通信を切ろうとパソコンに手を伸ばしたら、不意に音声が入った。
『─戌川、報酬はもらう。新入生歓迎会、手伝えよ』
「………………」
プツリ──
そこで通信は途絶えた。
してやられたな。
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shiori
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