「夜ご飯はこれでいいや」

お昼用の、食べそびれた藤崎くんの弁当箱を机に置く。可愛い包み方だ。

「それで大丈夫ですか?」

「うん。あ、俊のデザートも残ってるし、今日は何もいらない」

「では、お飲み物を」

「あ……ありがとう」

「いいえ、好きでやっていますので」

どうやら何もしないという選択肢はなかったみたいだ。

今は夜。あと少しだった仕事を終わらせて部屋に帰ってきた。予算は俺の仕事じゃないから空欄のまま……いい、よな。。最悪の場合は明日副会長さんに頼ろうと思う。

「そういえば、聞くまでもなかったことなのですが、」

「うん?」

「どうでした?」

「……?、どう?」

「はい。七恵とのセックス」

「………………、……─え?」

お茶の入ったグラスを俺の手前に、向かいに座った俊がにっこり微笑んだ。

いま、なんて、


「鈴葉様、」

「っ、……ど、どうって………!」

「……………………まあ、そんなことは別にどうだっていいんです」

「………」

「少し、聞いていただけますか?」


とっても愉快な話です。



mae ato



46/143 / shiori








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